和様での書の需要喚起と和様講師の育成について


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初の和様の書道講師デビュー

今回、高円寺で外国人向けの「高円寺ツアー」の一部の書道体験がありました。

私の教室では初めてとなる講師デビューをした生徒がいます。

2010年4月に開講して以来、継続されてきた生徒です。

それ以上に、私のワークショップや外国人体験など手伝って最も場数を踏んでいます。

今回、縁あって高円寺の企画のお誘いを声をいただきました。

講師デビューするには良い機会かと思い、先方に相談したところ協力いただけるということで

晴れて今回生徒の講師デビュー?を試みました。

普段、このような体験の記事はうどよし書道教室のサイトに記載をしますが、

和様の講師についての考えも書こうと思ったので、この書家うどよしのサイトに記載をします。

書道は誰でも教えられます

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書道免状(師範免許)を過大評価するビジネスがありますが、免状は書道で飯を食うには無力です。

書道の業界では、大手団体の賞歴と、それにともなう各団体内での役職がすべてです。

そのため、現行システムに従順となり書道講師で飯を食うには、下積み20年ほどかかります。

書道の免状ビジネスは「20年は長すぎる!」という人に「◯年で書道の師範免許が取得可能!」

という謳い文句で勧誘しますが、素人ごまかし程度になるでしょう(調べられたらバレます)。

下積み20年としましたが、長い期間は、何のためかというと以下の3点くらいかなと思います。

①幅広い技術の習得

②ライバルの脱落待ち

③現師範の引退待ち

※「毛筆書写検定」は、公益法人ではない一般財団法人の資格で「文部省後援」となりました。

もちろん弁護士や税理士のような国家資格&業務独占資格ではなく書道は誰が教えてもOK。

①幅広い技術の習得

書体だけでも5書体(篆書、隷書、楷書、草書、行書)+かな があります。

そこに、調和体、墨象など新ジャンルも加わります。

得意分野はあっても数種類を一定レベルにするには10年程度では時間が足りません。

②ライバルの脱落待ち

今はいろんな習い事があるので、自分より優秀な人が書を選択しません(生徒も増えないけど…)。

また、20年という期間には、いろんな誘惑や困難、資金面でも耐えられないことがあります。

書を選択した人でも継続できずに脱落します。

③現講師の引退待ち

書は、頭と手が動けば続けられる利点がありますが、逆に、先生もなかなか引退されません。

そのため集客が見込める大手団体の講師枠は限られ、なかなか空きが出ません。

生徒が少ないのに先生希望者が多いので講師枠の競争は激しく、東大に入る方がはるかに簡単。

需要と供給

「需要と供給」という言葉を知っていても、実生活に取り入れて実践するのは難しいです。

書の世界で「需要と供給」を説明すると以下のようになるかなと思います。

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現在は③の状態です。

「生徒」の需要が少ないのに先生ばかりいる状態、つまり、書道はデフレ状態です。

「規制緩和」という言葉を聞くと良くなると思っている人がいますが規制緩和=供給量の増加。

需要を増やさないで規制緩和するとビジネスモデルが崩壊する危険もあります。

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ちなみに、昭和30年~40年代頃は①だったとのこと。

先生が少ないのに書道人口が今の倍以上で、書道教室はとても儲かったそうです。

逆に、当時、書道を習った人が現在の先生で、さらに、書道人口は半減&少子化なので

現在は③の状況になるのは当然です。

需要を増やすには…

デフレ解消の方法(インフレ)は、2つしかありません。

供給を減らすか、需要を増やすか。(両方やるか)

先生が自然減しても、下の世代からたくさん供給されるので、需要を増やすしかありません。

書道の需要を増やす方法は?と聞くと「もっと書道を知ってもらう!」という意見が必ず出ます。

書道は学校の授業でかなりやっていますから、他の美術に比べて理解度は高いです。

これ以上知ってもらうのは無理です(授業の中身を変える等の変化はありだと思いますが…)。

一般企業なら、売上(需要)を増やすためにやってるのは、既存品の磨き(改善)と新商品投入です。

前述の書道黄金期には、書道業界に調和体、墨象、大字のかな書という新商品が発生しました。

私は、書道人口(需要)を増やすためには、間口を広くした初心者向けの新商品の投入だと思います。

私は「和様」しかないと思いますよ

過去の歴史を見ても、平安時代以前に入ってきた唐様(≒現在の書道)が栄えた歴史は明治以降の

短期間で、しかも、残念ながら現在、ピークは過ぎてしまいました。

もし、需要を回復させられる新商品があるとしたら、唯一確立していない「和様」だと思います。

むしろ、今まで情報技術としての書の本丸の和様を未着手で放置していたことが驚きです。

(ただし、超絶難関なのでハマると人生がヤバいと思います。)

日本サッカー協会の例

横道にそれますが、日本サッカー協会の方に「引退したサッカー選手は就職先がありますか?」

とお聞きしたところ「アジアのサッカー後進国の指導者という道が成功してきている」とのこと。

日本語である和様や調和体、かな書は日本人の指導者の活躍の場があるのでは?と思いました。

もちろん、日本の書を学びたいという需要が必須ですが…

余談ですが「外国人に日本の書を体験してもらいたい!」といって漢文を書かせる企画は

「中国人に寿司の握りを教えてもらう」状態なのでちょっと変ですね。

「和様」には新規の需要は未知数?無限大?

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私は独立して6年しかたっていませんが、和様の需要があることは間違いないと思います。

書道経験者ですら、漢文やかな書で文章を筆で書いても、日本語の文章を書くことが少ないので

ほとんどの日本人は日本語の文章を筆で書く機会がなく、需要は未知数、つまり、無限大です。

今の2倍以上の書道人口があった昭和の黄金時代には、日本人には読めない書しかありません。

明治初期に衰退した和様の認知度や理解度はゼロですが、一定の認知度になれば

読めない唐様(現在の書)より、読める和様の方が参加ハードルは低いはずだから

書道人口のカニバリ(共食い)を起こしにくく、新規参加者が期待できると思います。

和様はどんな講師育成をすればよいか

長期運営で重要なのは

指導経験≧コミュニケーション能力>書の技術

だと思います。

5年間の教室運営での結果しかありませんが、3年やれば、それなりに書けるようになります。

コミュニケーション能力は、性格や社会経験などもあり当教室だけではなんともなりません。

ただ、指導経験は体験会やワークショップを通じて手伝ったり、小さな企画から任せたり、

場数を増やせば可能だと思います(お客様がOKなら、私がサポート側に回ればいいだけです)。

筆で文字を書く文化に価値がある

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当教室は体験用の書道道具セットを100セットまで準備しています。

日本でも100セット持っている団体はないと思います。

日本人の和様への理解と普及をすることで、毛筆の面白さを新発見して欲しいです。

世界の多くの国は、毛筆で文字を書く文化がありません。

綺麗な文字を書くことが文化ではなく、筆で日本語を書くことが文化なのですから、

楷書に拘ることで「筆で日本語を書く文化」まで衰退するなら和様の検討はアリです。

そうしないと、明治以降、毛筆を漢文とかな書に偏り、最も文化繁栄した江戸時代の

情報技術の和様 御家流を読めない現在の日本人と同じ過ちを繰り返しちゃいます。

(先進国で150年前の文字が読めない国はない)

オリンピックに向けて和様講師の育成

私は、目安としてオリンピックに向けて和様の講師育成を始めたいと思います。

生徒で興味がある人は、機会があればどんどん参加してください。

ただ、現在、国や企業の文化支援予算は実績のない和様に一切向いていません。

なんとか振り向いて欲しいのですが…これを見た企業、団体の方は連絡ください!

私の過去の経験上、現在の書道関係者に誤解を招くのはよろしくありません。

そのため、現在の書道関係者が興味を持たない(儲からない)外国人の体験は

和様にも、講師の育成にも、外国人の方にもトリプルWinの関係になると思います。

中華式の唐様は、「日本人がChineseを書く」体験になるので、外国人の方から見ると

前述の「中国人に寿司の握りを教えてもらう」状態なので理解し難いですね。

比較すると、和様は「日本人が日本語を書く」のでわかりやすいと思います。

オリンピックはスポーツの祭典ではありますが、文化紹介にも活用できる好機なので

それまでに独り立ちできる講師さんを育てたいと思います。

最後に胡散臭い言葉を残して終わります。

トラストミー(笑)

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