「美文字コンプレックス」ビジネスは失敗している


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雑誌「季刊レポ」の取材から書籍化

以前、「季刊レポ」という雑誌の取材をライター新保信長さんから受けていたのです。

その記事がまとめられ『字が汚い!』(文藝春秋 著 新保信長さん)となって発売になりました。

(季刊レポ 19号:特集 音楽 ハートに火をつけて 2015年3月 発売 現在は絶版)

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実は、これが、私と新保さんの初めての出会い。

そして、今回、第6回 和様の書展に西原理恵子さんが出品することになる不思議な出会いをくれた取材です。

西原理恵子さん和様体験記

「字が汚い」の出版記念イベントが4/28(金)にあるらしい

『字が汚い!』刊行記念トークイベント「なぜ私の字はこんなに汚いのか?」

「字が汚い」には、著者 新保さんが、美文字コンプレックスに関して、いろいろな視点、いろいろな人物の話を交えて、東大卒ライターらしく?分析しています(私の知り合いのライターさんは高学歴が多いね…)。

詳細はお買い求めください!(ランキング上位です)

「美文字コンプレックス」ビジネスは失敗していると思うのです

さて、手書き業界?で飯を食っている人の多くは「美文字推し」です。

私が和様専門で美文字ビジネスを一切やってないからというのではなく、客観的に、歴史的に見て美文字コンプレックスを利用したビジネスは失敗していると思うのです。

ちょっと言い過ぎですか、厳密に言うと「昭和で役目を終えたビジネス」だと思うのです。

(コンプレックスビジネスが悪いというわけではないです。)

手書き業界「きれいな字を書けない大人は恥ずかしいですよ!」

→昭和 「ペン習字/書道を習おう!」

となっていました。しかし・・・

→今 「手書きは恥ずかしいからフォントを使って印刷しよう。」

となります。

もう、上位互換のフォントが普及してしまったからです。

日本は美術で圧倒的先進国だった(ただし、江戸時代まで)

上記画像はネットでよく見かける「同じ年代の日本と西洋の絵画比較」の画像です。

日本の絵画が如何に異質かということを比較表現したもので、日本人は「日本だけ遅れている」と思います。

同じように当時の人も思ったから、明治に入って浮世絵(的な表現)が衰退します。

これを書道的に見た場合、難易度が別格に高い表現なのは日本の浮世絵なのです。

それをわかっている西洋では、19世紀後半に「ジャポニズム」が起こったのです。

写実って、見たままを書けばいいから簡単です。

見たものをデフォルメして表現することは、相当な難易度が高い作業です。

「写真が発明→絵画の写実的役割が終了」と同じなので仕方ない

ワープロやパソコンの登場でフォントを使った文字の印刷が一般家庭でもカンタンにできるようになりました。

今では、タッチパネル、予測変換、音声入力までが普及し、キーボードすら使わず、印刷もしない状態になりつつあります。

似たようなことが歴史上で起こっていると思います。

近い例だと「写真の発明」です。

写真の発明で、絵画の写実的な役割は写真に奪われました(19世紀 写実主義→(写真発明)→印象主義他)。

落穂拾い,ジャン=フランソワ・ミレー →写真登場→ 日本の橋,クロード・モネ

ドミニク・アングルという人は、「写真は、画家の生活を脅かす」とフランス政府に禁止を求めています。

今、手書き業界が「美文字じゃないと恥ずかしい」と主張しているのに似ています。

書道業界の主力イベントである書展のポスターやチラシの半数以上は、タイトルがフォント。

もう、フォントに完敗なんだと思います。

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「美文字コンプレックス」の植え付けは北風政策だと思う

手書きを少しでも残していきたいなら、「北風と太陽」でいうなら「太陽政策」しかないと思います。

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従来型の手書き業界を守るために「手書きは美文字」と無策では、世間はどんどんフォントを使います。

ただ、「手書きは個性」とフォントと手書きの使い分けの提案をできれば手書きは、美文字以外の選択肢が生まれるため、美文字に固執するより市場が大きくなると思います。

写真同様、実用の世界で、手書きがパソコンやスマホの文字入力、音声入力に勝つことはないと思います。

ただ、多様性のある書き文字の提案は、「字形を守った新たな字体」の提案になるので、非常に難しいことですが、過去の日本の書き文字の歴史でも、書の流派が多数あった時代もあったので、可能性がないわけではないです。

情報技術として圧倒的な「表現力」を持つ「手書き」

情報技術として、ほとんどの面で、手書き(楷書)は負けています。

 

フォント

手書き

複製 △ 再度、手書きorコピー機
修正 △ 書き直し
スピード × 丁寧に書くと遅い
表現力 × 画一的、無個性

ただし、フォントが普及すればするほど、手書きの表現力が際立ってくると思います。

情報技術は「相手に正しく情報を伝えること」です。

つまり、手書きでしか表現できない表現が存在する限り、手書きが勝る場面があるわけです。

表現力「筆>万年筆>ペン>パソコン」

フォント印刷の「ありがとう」より、手書きの「ありがとう」の方が印象がより場合が多いと思います。

これは、「表現力」が優先される場面において、手書きは圧倒的に有利です(価値があります)。

その理由は、「その文字を書くために費やした時間」までも表現可能だからです。

そうなると現行の情報技術ツールで表現力を引き出せる(つまり、時間がかかって筆記が面倒くさい道具)は

筆>万年筆>ペン>パソコン

の順になると思います。

ちょうどいいアナログ感の万年筆が最近、売れているのはわかる気がします。

筆までもう一歩ですね(笑)

「美文字」を他人へ押し付ける人へ 国の方針も参考にしてね!

現在、日本の公式書体は「楷書」です。

「楷書や美文字以外は認めない!」

と保守的な方は考えるかもしれませんが、他人への押しつけはいけません。

(ちなみに、書展に最も出品されない不人気書体が楷書。察してください。)

その理由は、文化庁が2016/2/26に次のように報道発表した以下の内容です。

「字の細部に違いがあっても,その漢字の骨組みが同じであれば,誤っているとはみなされない。」と明記しています。

とめ、はね、はらいなど、美文字の特徴にこだわる必要はないということが書かれています。

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「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(文化審議会国語分科会)の概要

美文字はフォントでできちゃうんで、パソコンでできることを人間がわざわざやろうとするのは、資本主義の世界ではなかなかしんどいことだと思います。

新しい書き方(ソフトウエア)の提案を

今、様々な筆記具(ハードウエア)が出ています。

一方、「国が多様な書き文字を認めましょう!」となっても、現段階で、書き方(ソフトウエア)は楷書しかありません。

楷書は、1000年以上前から知られているのに実用では定着しておらず、さらに明治政府が楷書を公式書体にして150年経つのに、みなさんどうですか?

上手い下手関係なく、手書きするときに楷書を使っていますか?自分独自の書き方で書いているでしょ?

せっかくアナログ回帰現象が起こっているのですから、ハードウエアの需要を満たせるソフトウエアの提供が必要なんだと思います。

そこで、和様ですよ!(笑)以下略

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