【初公開?】比田井南谷「電のヴァリエーション」の購入価格が判明!

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前衛書道の代表「電のヴァリエーション」はいくらか?

以前の記事で、文字性を捨て現代アートと勝負した墨象(前衛書道)は勝てた?

最後の方に

>現代アートとしての価値があるのか気になります。
>この作品は日本の現代アートの基準となる作品ですから、千葉市がいくらで買ったのか
>公表されているなら一つの目安になりそうです。

と書きました。

千葉市が所有、千葉市美術館に保管されている比田井南谷「電のヴァリエーション」は

千葉市に寄贈されたものではなく、千葉市が買ったということは前回までに判明しておりました。

前衛書道の代表作品に購入価格が公についているということで、値段は気になりました。

そして、私の独自の調査の結果(笑)、千葉市の買取価格が判明しました!

そもそも「電のヴァリエーション」って?

比田井南谷(1912-99)は神奈川県生まれ。本名、漸。1922~39年、父・比田井天来について書を学ぶ。39年、父の死に伴い書学院を継承。45年自らが「心線作品」と呼ぶ墨象を初めて制作。50年代半ばより欧米各地で個展、グループ展に出品する他、大学で書道史を講演する。55~56年ヨーロッパ各地を巡回した「現代日本の書ー墨の芸術」に出品。58年国立近代美術館での「抽象絵画の展開」に出品。59年第5回サンパウロ・ビエンナーレに出品。戦前にも書学院で行っていた古碑帖の出版を69年に再開。81年東京都美術館での「1950年代ーその暗黒と光芒」に出品。87年ライフワークの『中国書道史事典』を出版。92年O美術館での「書と絵画の熱き時代・1945~1969」に出品。戦時中、長野県に疎開していた比田井南谷は試行錯誤の制作を重ねていた。その際、父・天来の「行き詰まったら古に還れ」という言葉を想い出し、中国の古典『古籀彙編』にあった「電」の字に触発されて本作品を制作した。戦前から天来の門人たちと結成した書道芸術社などを通じて因襲的な書道観の克服を目指していた南谷にとって転機となった本作品が1945年に制作されたことは、単に個人の制作史を超えて象徴的ですらある。文字性を解体して線による抽象へ書が進んだ最初期の作品であり、戦後の造形芸術全体の中でも重要な意味を持つ。彼は後に、重ねられた実作と海外での教育体験から「書の本質的な芸術性は線表現にある」ことを再確認している。

というものだそうです。

私は、子供の頃、野口英世の伝記を読んで、非常に感動していたのに、

野口英世がプライベートはダメ人間だったことを知ってショックを受けたものです(笑)

(東大出身ではないのに東大閥を押しのけて活躍し、お札にまでなったのは相当すごい!)

こういう伝記ものは、注意しないとおかしなものの混ざっていることもあります。

それはさておき、書を、そこそこまじめに学びだすと、日下部鳴鶴や比田井天来という名前は耳に入ります。

(なにせ、この人達が今の書道界の基礎を作ったのですから)

千葉市の「電のヴァリエーション」の購入価格は?

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比田井天来の息子である比田井南谷氏の代表作「電のヴァリエーション」の千葉市の購入価格は

購入時期 平成4年

購入価格 412万円(当時、消費税は3%なので、400万円が購入価格だと思われる)

ということが、千葉市文化振興課からの情報提供で判明しました。

千葉市によると、これは公にしていいものだそうで(税金で購入したからかもね)

悲しいのは興味を持たれてないのか、こういう問い合わせもないとのことです。

なので今回、前衛書道や書作品の購入価格の目安になると思ったので公開することにしました。

平成4年(1992年)は、まだ、バブル期絶頂のころですから、

これだけの知名度のある作品が400万円とは相当安いですね。

今、売りに出したら、いくら位になるのでしょう・・・。

書道業界の皆さんが買い支えて1000万円は超えて欲しいんですが・・・難しいですかね?


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