書家に「紫綬褒章」がいない謎!

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紫綬褒章は“芸術文化”分野の優れた業績

授与対象

科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方

と内閣府のページに載っていました。

褒章は、他に「紅綬褒章」「緑綬褒章」「黄綬褒章 」「藍綬褒章」「紺綬褒章」があります。

それぞれの分野で功績のあった人に授与されますが、色分けされているんですね。

ちなみに、毎年春と秋の2回行われます(4月29日(昭和の日)および11月3日(文化の日))。

書道など芸術分野が”紫”なので紫綬褒章というわけです。




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なぜか紫綬褒章の書家がいない・・・

過去の書家には、文化勲章、文化功労賞、旭日中綬章など色々受賞している人がいます。

よく考えたら”紫綬褒章”の名前を聞いたことがありません。

ネットで調べても篆刻で1名いるだけでした。

そこで、過去どれくらい書家で紫綬褒章を受賞している書家がいるのか調べてみました。

といっても、褒章の所管である内閣府に問合せをして調べてもらうしかありません。

問合せしたのは、内閣府賞勲局(T市さん)です。

過去に書道関係では2名いらっしゃいます。

昭和38年 石井 雙石(そうせき)さん

昭和39年 藤岡 保子さん

です。

とのことでした。

石井さんは篆刻なので、書では藤岡さんただ一人ってことになります。

このブログを見ている人も、この二人の名前を初見の人も多いと思います。

青硯書道会を創設した篆刻 石井雙石

1873年(明治6年)~1971年(昭和46年)。専門は篆刻。青硯書道会(葛飾区)の創立者の一人。

紫綬褒章、勲四等旭日小綬章を受賞。

毎日書道展名誉会員、書道芸術院顧問、日本書道美術院顧問。

アラフォーで書を始め皇后陛下に書を教授 藤岡保子

1883年(明治16年)~1966年(昭和41年)。専門はかな書。

実質、書では唯一の紫綬褒章受賞者。

特定の師匠を持たず40歳過ぎて書を始めて、美智子皇后陛下に書を教えるまでになった方。

ちなみに15代将軍慶喜の実弟である徳川昭武の姪に当たる一流の血筋です。

書以外でも多彩な才能を発揮していた模様。




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文化庁「特定ジャンルが対象外ではない」

文化庁の場合は、紫綬褒章の決定プロセスをざっくり説明すると以下の図式になります。

紫綬褒章受賞の流れ(文科省文化庁)

文化庁に確認した所、「書は他の賞があるので除外するといったことこはない」とのことでした。

褒章の年齢制限に関して、現在は存在せず(2002年に撤廃)、過去の制度は以下のようになっていて

叙勲が公務員及び民間人を対象としているのに対し、褒章は主として民間人を対象としている。
また、叙勲の受章年齢が原則として70歳以上であるのに対し、褒章の受章年齢は原則として55歳以上となっている。

55歳以上という制限は、寿命ということもあまりないと思われます。

昭和39年以降、優れた業績を挙げた書家がいない?

紫綬褒章は2014年実績で春23名、秋14名 年間計37名の方が受賞しています。

年間10名以内の受賞者となる文化勲章と数字だけで比べると、決して受賞が難しいわけではありません。

各省庁から推薦された方は、否定するのは大変だから、ほぼ通過すると予想しています(少なくとも半数は通過?)。

どちらにしても紫綬褒章の受賞者が昭和39年(1964年)以降、さすがに半世紀もいないとなると、

芸術文化分野における優れた業績を挙げた

基準を満たした書家がいないということになっちゃいます(辞退するとも思えないし…)。

他の受賞者を見ると、知っている名前がずらずらと出てきます。

さいとうたかお(ゴルゴ13)、やなせたかし(アンパンマン)、桑田佳祐、大友克洋(AKIRA)、熊川哲也(バレエ)、角野卓造など

一方、難易度?の高い書家の文化勲章は複数いらっしゃいます(超有名人ばかり)。

例:西川寧、金子鴎亭、青山杉雨、村上三島、杉岡華邨、小林斗盦、高木聖鶴

このサイトは、内閣府、文科省の方も多く見てもらっていますので、分かる人がいたら情報をください(笑)


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