美文字ブーム?にちょいと一言。

「美文字」というのがTVでやっていると生徒が言っています。

(私はTVを持っていないので画像でしか見たことがない)

私の動画や教室などで話を聞いている人には常識でしょうけども・・・

■美文字ってなんだ?

美文字とされているのは、楷書をベースにした文字と思います。

(ここで異論が出ちゃったらどうしようもないのですけども)

なので美文字≒楷書として話を進めますね。

では、この写真を見てください。ある書展の写真ですが・・・

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楷書はどれくらい出ていますか?

唯一、左上に1点それらしいのがありますね(行意があるので純粋な楷書とはいえないが)

実は、書展で最も出品数が少ないのは楷書なのです。

では、ここで疑問が生まれます。

疑問 なぜ、美しいはずの楷書が最も少ないのか?

2つの可能性があると思います。

■楷書が最も難しい説

書家の方の多くはコレを理由とすると思います。

楷書は続け字、崩し字を使えず、カスレも多用はできず、

全員がやっているので誤魔化しの効かない書体になるからです。

そうなると、書家ですら難しいと敬遠する書体を、なんで庶民にさせるのでしょうか?

って疑問が生まれますね。

実は、バランスが均一なので、評価しやすく、初心者に教えるのは容易という都合もあります。

■楷書は美しくない説

日本のお金の書体は、何を使っているか意識したことはありますか?

以前、私のブログでも触れていますが(えっ!楷書がお金のデザインに不採用?不思議

現在、日本のお金には、楷書が使われていません。

■「美しい」といいながら庶民、書家、国から評価が低い楷書

・書展に出品されない

・硬貨、紙幣に採用されてない

・書くのに時間がかかるので実用性が低い

という現実はしっかり認識しておきましょう

■「崩壊する寸前が一番美しい」 by野口 白汀 (はくてい)

ちょっと抽象的で難しいのですが、

私が言うと説得力が全くないので先人の言葉を引用したいと思いました。

同氏は続けて「崩れそうで崩れない、落ちそうで落ちない限界の一瞬は感動的」

と書いています。

私がサラリーマンで書を続けていた理由は「この世界を観てみたい」と思っていたからです。

今となっては「お金」という必要性に駆られて、純粋な気持ちがやや薄れがちですが(笑)

私の思う“美しさ”は、均等にバランスが取れているものよりも、

“ちょん”と突いただけで崩れそうなのにきちんと立っている絶妙さです。

そう、それは“自然”な感じなのです。

自然のものは、均等に並んでいるものではないから美しいわけです。

楷書は、一瞬、均整があり美しいと思いますが

日本書史で、庶民に楷書が受け入れられた時代がない(楷書は明治以降)ことも考慮すると

歴史的な評価としては“美しい”、“機能的”とは思われていない可能性を疑う余地はあります。

文字は個性を表現できる手段なのですから、

その個性を殺して全員で同じ書き方をするというのは良いことなんだろうか?

文字で重要なのは、「可読性」と「個性」だと思います。

皆と同じ綺麗な字はフォントで代用できちゃう時代ですから。

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美文字ブーム?にちょいと一言。 への2件のコメント

  1. うど

    はじめまして。
    支那式の唐様全盛の今、和様は上代様以外が
    「重箱の隅」にいる存在ですから
    通りすがりの人にも注目してもらえるような記事が書けるよう頑張ります!

    返信

  2. 通りすがり

    「美文字」って別に芸術としての美しさを求めたものではないんじゃないですか。「一人前の大人として恥ずかしくない字」というぐらいのニュアンスだと思います。
    日本のお金に楷書が使われていないというけれど、文書ではない印刷物というのは見た目の美しさが重要だから芸術性の高い書体が好まれるということではないでしょうか。公的文書はほぼ楷書(明朝体ゴシック体の活字)ですし、役所での書類記入は楷書が基本です。こういった場面では誤りなく判読できることが求められるから楷書が選択されるのではないでしょうか。芸術ではなく実用ですよ。芸術である書道と昨今の「美文字」はもともと土台が違うんです。そんなものを比較したってしょうがないですよ。重箱の隅をつついてあーだこーだ言う問題ではないですよ。

    返信

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