「書は芸術」という言葉は、あの“比田井天来”の言葉です。
書家の多くの方が取材などで「書は芸術だ!」と言う方が多いです。
しかし、多くの芸大に書道科とか書道専攻が少ないことは、意外と知られていません。
芸大の最高峰の東京芸大にも、邦楽(尺八とか)はありますが、書道はありません。
さて、日本の芸術の最高峰といえば、日展とされています。
芸術といえば、油絵、彫刻などを思い浮かべ、真っ先に”書道”は浮かばないと思います。
しかし、数字上だけで見ると、実態は全く違うものです。
(参照サイト http://www.nitten.or.jp/exhibition/shokan.html)
第44回日展 (平成24年度) 入選点数および審査所感
出品数 | 出品比率 | 入選数 | 入選比率 | 入選率 | |
日本画 | 564 | 4% | 209 | 9% | 37% |
洋画 | 2158 | 15% | 635 | 26% | 29% |
彫刻 | 175 | 1% | 119 | 5% | 68% |
工芸美術 | 850 | 6% | 486 | 20% | 57% |
書 | 10385 | 73% | 974 | 40% | 9% |
合計 | 14132 | 2423 |
出品数全体の73%が書です。
日展の収支予算書によると
収入233百万円 内 出品料140百万円
手品料が収入の60%を占めます。
つまり、出品料73%の書道は、
日展の収入の31%を占めるという計算です。
(日展の出品料は10000円)
つまり、日展は書道が支えているのです。
(ちなみに、入場収益は70百万円≒書の出品料)
しかし、入選率を見ると、書道やっている人って
バカみたいだなーと思う実態も浮かんできます。
全体の収入の31%も貢献しているのに、入賞者は全体の40%!
しかも、入選率はたったの9%!超狭き門ですね。
彫刻やら工芸芸術は2人に1人は入選していることを考えると、あまりにも不憫です。(あくまで数字上)
未だ敵国扱いで、常任理事国でもない日本が、国連の10%負担(米国についで二番目)している実態のような不憫さ!
大人の事情はいろいろあると”想像”しますけども、日展の下部組織である読売展の出品数が
10年で25%減少した現状を見ると(参照)官展の日展も影響が出ているのではないかと想像しちゃいます。
こちらの記事も参考下さい。
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