書論1 和様という書の歴史
「和様」と「唐様」全く異なる2つの書
日本には2種類の書があります。
和様とは、日本式の書道(書き文字)のこと。→日本語を書くための情報技術
唐様とは、中華式の書道のこと。→現在の“書道”(かな除く)。漢文中心なのは唐様だから。
(時間が無い人はこちら)
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明治の文字は読めて江戸の文字が読めない謎
この画像を見てください。
左は、幕末の江戸時代、寺子屋の教科書(往来物)、和様“御家流”で書かれています。
右は、明治時代の小学校の教科書、唐様(現在の楷書)で書かれています。
明治時代の文字は読めますが、江戸時代の文字は続け字なので全く読めません。
外国人「19世紀後半に日本で何が起こったの?」
日本人は「昔の文字だから読めないのは当たり前。」と全く気にしません。
一方、外国人は「150年前の文字が読めない?この26年間に何が起こったの?」と聞いてきます。
それは、外国で自国の書き文字や宗教が変わる場合、他国の統治等の大変革があるからです。
(例:フィリピン→英語、ブラジル→ポルトガル語、韓国→キリスト教など)
江戸時代は続け字(cursive)、明治時代になると普段の見慣れたブロック体になっています。
学校では教えませんが、江戸と明治での書き文字の変化は、江戸幕府が大政奉還(1867年)し
明治政府の誕生したことでこれは明治政府が政治的に書き文字を変えたからなのです。
明治政府が和様を廃止し唐様“菱湖流”を公式書体に
さらに「江戸時代と明治時代で書き文字が違う」という事実は、感覚的にわかっていても、
明治政府が公式書体を江戸幕府の和様“御家流”から、唐様“菱湖流”に変えた歴史や
さらに、華道、茶道のように書道に流派があったことは、ほとんど知られていません。
それもそのはず、現在の書道の書籍には、和様や“御家流”の記述がほとんどないのです。
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