【2026年最新版】NHK大河ドラマ題字まとめ【感想付き】

NHK大河ドラマの題字まとめ

NHKさんが作ってくれなかったのですが、2020年6月、NHK公式が作って、その後、更新してくれません 大河ドラマの題字




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NHK大河ドラマの題字は書道業界が嫌い?

日本で最も露出度の高いNHK大河ドラマの題字は、書道の顔になるのですが、実は、書道業界からの採用がないことは周知の事実。
2024年「光る君へ」根本知氏は書道業界から脱退組、2025年「べらぼう」石川九楊氏は書道業界に所属歴なし。
そして、2026年は「鎌倉殿の13人」以来のフォントとなりました。

2026年 豊臣兄弟

文化庁や経産省、内閣府のクールジャパンは、近年、日本のコンテンツ産業に力を入れています。NHK大河ドラマのロゴのロゴの露出度はかなり高く、筆文字なら強いIP(知的財産)となります。ただ、今回のようなフォントは再現性が高く(類似作例を外国でも作れる)、筆文字に比べると価値は低くなりますよね。デザインとしてみると「!」が「臣弟豊兄」と読ませない工夫にもなっていたりしますが、書的に見ると太字の明朝体フォントを加工したものなので情報量が少ないですね。逆に、書って圧倒的な情報量を持っていることを再確認できます。

今回のロゴデザインの担当は、NHK映像デザイン部の田中伽奈芽さん。同姓同名に田中伽奈芽さんという武蔵野美術大学卒のグラフィックデザイナーがいます。もし、同一人物なら、作字、タイポグラフィー関係の実績がほとんどなく、いきなり大河ドラマの題字担当になるという大抜擢になります。
(画像は武蔵野美術大学卒のグラフィックデザイナー田中さんの文字作品の例 文字作品には商標侵害の疑いがある作品が複数あった)

以下にNHK公式の田中伽奈芽さんのコメントを引用します。
デザイン / 田中伽奈芽(NHK映像デザイン部)
このロゴデザインは兄弟が共に築き上げた偉業、そして「陰の立役者」としての弟の重要性を強調する新たな視点を表しています。
「!」は弟の存在に対する注目を示すシンボルとして使用しています。弟が隠れた力を持ち、世間の期待を超えて活躍する重要な役割を担っていることを強調するため「弟」に注意を向けロゴ全体に活気とインパクトを与えることを意識しました。
築城に長けていた兄弟のイメージから石垣が積み重なっていく様子を文字の組み方に取り入れ、時間と努力を重ねた功績の象徴として用いています。またロゴの中に用いている石目模様は秀長の代表的な城、大和郡山城天守から取ったものです。下から上へと順に積み上げられた石垣が、農民から天下に這(は)い上がっていく豊臣家と重なるのではないかと考えました。
このロゴが皆さんに親しみを持って記憶に残っていくことを願っております。

題名題字担当職業書道の賞歴
2026年豊臣兄弟
田中伽奈芽
NHK映像デザイン部
2025年べらぼう

石川九楊書家 
2024年光る君へ

根本知書家毎日書道展 佳作賞
2023年どうする家康

GOO CHOKI PAR
浅葉球・飯高健人・石井伶
デザイナー 
2022年鎌倉殿の13人
NHK大河ドラマ 鎌倉殿の13人
フォント  
2021年青天を衝け

杉本博司現代美術家 
2020年麒麟がくる
中塚翠涛書家 
2019年いだてん
~東京オリムピック噺~
横尾忠則グラフィックデザイナー 
2018年西郷どん
L.S.W.Fクリエイティブ集団 
2017年おんな城主 直虎
Maaya Wakasugi書家(パフォーマンス) 
2016年真田丸
挾土秀平左官技能士 
2015年花燃ゆ
國重友美書家(元タレント) 
2014年軍師官兵衛
祥洲書家 
2013年八重の桜
赤松陽構造映画タイトルデザイン 
2012年平清盛
金澤翔子書家 
2011年
菊池錦子書家毎日賞
2010年龍馬伝
紫舟書家 
2009年天地人
武田双雲書家 
2008年篤 姫
菊池錦子書家毎日賞
2007年風林火山
柿沼康二書家毎日賞
2006年功名が辻
だんきょうこ書家 
2005年義経陳變君 
2004年新選組!荻野丹雪書家 
2003年武蔵 MUSASHI吉川壽一書家 
2002年利家とまつ竹山洋脚本家 
2001年北条時宗宮嶋宏行  
2000年葵 徳川三代ジェームス三木脚本家 
1999年元禄繚乱渡辺裕英(株)NHKアート 
1998年徳川慶喜NHK制作?  
1997年毛利元就毛利元就自筆書状 
1996年秀 吉森繁久弥俳優 
1995年八代将軍吉宗仲代達矢俳優 
1994年花の乱宮田雅之切り絵 
1993年炎立つ山田惠諦天台宗僧侶 
1993年琉球の風水谷勇夫現代美術家 
1992年信長渡辺裕英(株)NHKアート 
1991年太平記大鹿洋江  
1990年翔ぶが如く司馬遼太郎原作者 
1989年春日局望月美佐書家 
1988年武田信玄海老原哲(賞歴詐称)
→渡辺裕英
(株)NHKアート 
1987年独眼竜政宗長揚石篆刻 
1986年いのち山本一乗  
1985年春の波濤望月美佐書家 
1984年山河燃ゆ村山 真  
1983年徳川家康渡辺裕英(株)NHKアート 
1982年峠の群像望月美佐書家 
1981年おんな太閤記竹沢四郎  
1980年獅子の時代渡辺裕英(株)NHKアート 
1979年草燃える山本一乗  
1978年黄金の日日須田利一  
1977年花 神川村 実  
1976年風と雲と虹と海音寺潮五郎
※NHK公式では不明
原作者 
1975年元禄太平記山本一乗  
1974年勝 海舟川村 実  
1973年国盗り物語中馬太嘉志  
1972年新・平家物語望月美佐書家 
1971年春の坂道山岡荘八原作者 
1970年樅ノ木は残った渡辺裕英(株)NHKアート 
1969年天と地と川村 実  
1968年竜馬がゆく須田利一  
1967年三姉妹※NHK公式でも不明  
1966年源義経渡辺裕英(株)NHKアート 
1965年太閤記渡辺裕英(株)NHKアート 
1964年赤穂浪士須田利一  
1963年花の生涯渡部 清  

書道業界出身者は不採用?NHK大河の題字事情

■大手書道公募展の賞歴は、あまり関係ない。 →大手公募展の主要な賞の受賞者が過去2名しかいない・・・(非公開なら、しらん!)。
書道業界は日本の4大書展(日展、毎日、読売、産経)に寡占されており、無所属の書家を探すほうが困難なほどですから、NHK大河の題字は、現在の書道業界のトレンドとは別視点で決定していることがわかると思います。
(公募展入賞、入選などは半数がもらえるので無評価。 所属の団体展、詐称の疑いの賞歴は無評価としました。)
■NHKの大河ドラマに読売、日展系の書家がいない(と思われる)。 →NHK大河ドラマの題字選定者は、商業的な表現を好む傾向がある(テレビだし)。
■誰だかわからない人も担当している・・・。 →日本で最も露出度のあるNHK大河ドラマの題字を提供しているのに ほとんど名前が出てこない人が結構います。
謙虚すぎです! 先生をしているなら本人やお弟子さんや団体の活動から名前が出てきそうなのに・・・。
■同じ人が複数回担当することがある。
→1位 渡辺裕英氏 8回、2位 望月美佐氏 4回、3位 須田利一氏 3回。
■1/3のタイトルの揮毫者が不明。決定がいい加減かも?
→19/53タイトル 約36%が題字の作者が不明だそうです・・・。どうなっとんだ?
→追記:NHKさんの調査で、不明だった多く担当者が判明しました!
■1998年 武田信玄 の題字は当初、単なる素人に依頼していた
→最初、海老原哲弥氏が当初担当していたが、賞歴詐称がバレて急遽差し替え(つまり、騙されたNHKは被害者)。
■職業別 題字担当回数は、書家が1位14回、2位 NHKの内作6回。
→ただし、8回担当した渡辺裕英氏は、元㈱NHKアートらしい。内作するとはもったいない・・・。

職業集計
不明20
書家17
㈱NHKアート6
原作者3
俳優2
脚本家2
現代美術家2
自筆書状1
切り絵1
天台宗僧侶1
篆刻1
映画タイトルデザイン1
グラフィックデザイナー1
クリエイティブ集団2
左官技能士1
フォント1

参照NHKのサイト http://www.nhk.or.jp/archives-blog/genre/drama/35001.html
ただし、ここだけでは不十分だったため色々調べて追記しました。
間違いなどあればご指摘くださいませ。




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バックナンバー

各年度のコメントを以下に羅列しています。

なぜ、NHKは石川九楊氏に平仮名の題字を依頼した?

今回の題字「べらぼう」は平仮名4文字。
石川九楊氏の作品を知っている人からすれば、石川九楊氏が最も遠い構成です。
誤解を恐れずいうと「不得意」なジャンルです。
例えるなら、競泳選手にアーティスティックスイミング(旧シンクロ)を依頼するようなものです。
石川九楊氏は、2017年に「読める書」参画を表明しました。(詳しく知りたい方は、過去ブログを御覧ください。)


しかし、その後、具体的な作品は露出されていません。
私の想像では、石川九楊氏は「読める書」がカンタンだと思って発表したものの、上手くできなかったのではないかと予想していました。
そして、突然の大河ドラマの題字「べらぼう」を見せられたわけです。

【PR】「現代文は”石川九楊”でも手に負えない」

「アートバーゼル香港(記事 大河ドラマの題字並のプロモーション効果あり)」デビューできるほどの力のある石川九楊氏が、2017年に「読める書」参画して(研究はもっと前から)6年経過した「読める書」の成果が「べらぼう」です。
石川九楊氏ですら、現代文はこうなってしまうのです。
どんなに古典を学んでも、研究しても、現代文に真剣に取り組まない限り気付かない盲点があります。
当然ですが「読める書」に取り組むと”読みやすさ”が大事です。(古文、漢文の書道脳では気付きません)
読みやすくする方法はカンタン「かすれ、にじみを抑える」のです。
メモで書いた文字が、かすれたり、にじんだりすると読めないから困るでしょ?
それと同じです。

有名ラーメン屋に「味の素抜きで」と注文するようなもの

よかいち

 

「かすれ、にじみ抜き」は、有名な書家や立場が上の書家ほど厳しい。
例えは、有名ラーメン店で「ラーメン1つ、味の素抜きで!」と注文するようなものです。
もちろん、味の素抜きのラーメンは作れます。
でも、有名ラーメン屋として味の素抜きは出せません。
石川九楊氏は、80歳を超えた超有名な書家なので「味の素抜き」はキツい注文です。
私の作品集を見てもわかると思いますが、同じ4文字縦書きの作例だと榊莫山氏揮毫の「よかいち」はわかりやすいと思います。
「よかいち」は「味の素抜きラーメン」が出せるラーメン屋ですが、まだ「べらぼう」には難しそうです。
そもそも、晩年に現代文を取り組んでも寿命が足りないことは歴史が証明しています。
現代文の書の専門家として「現代文は難しい」と知ってもらえるといいなと思います。
NHKさんが、石川九楊氏が最も苦手なジャンルを発注した経緯は謎です。
今後、ドキュメンタリー番組が放送されるようなことがあれば、まあ、そういうことでしょう。

2024年「光る君へ」の題字の感想

縦書き、横書きあるのですが、別々に書いているので少し構成が異なります。
縦組みできないかなとやってみると問題なさそうです(「加工」バージョン参考)
ついでに、横組みの「へ」の位置は素直に真横で良かったんじゃないかなと思って並べ替えしてみました。

平安時代だから「仮名の書家」となったと思うのですが、構図に苦労された気がします。
私は、こういう場面こそ、普段、生徒に指導している上代様で処理するほうがいいと思う派です。
「なにかしなければならない」となり「光」の「L」と「へ」で変化しか逃げ場がなかったのかも?
構成としては、「光」「る」「君へ」と思います。(「光」=「君へ」を1塊として見るとわかりやすい)
縦書きは余白を斜め対称、横書きは右上で、安定させようとしてます。
漢字の造形を普通にしたため、風味を補うための「へ」の個性なのかなと想像しています。


題字は現代文で書く必要があります。
現代文は現代にしかないので、古文の技法が使えません。
さらに書家さんでも知らない人が多いのですが、平仮名50音図は1900年に活版印刷のために生まれた文字です。
1000年以上前の紫式部が活躍した平安中期に、現在の平仮名は存在しません。
「書家は何でも書ける」ように振る舞っていますが、「平安の仮名」(江戸時代の文字は書けない)と「漢文」が書けるだけで、筆の歴史のない現代文は苦手。
仮名の書家さんは「漢字が苦手+現代の平仮名が苦手=現代文でかなり不利」なんで、採用されにくいのかなと思っています。


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