世界17位の東京都美術館 とうとう半分が書道に!

いよいよ書道が日本のアートシーンを支配!?

2023年の東京都美術館のジャンル別シェアの数字を出してみました。
使用したデータはこちらにあります。




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東京都美術館 書単独で41%超

東京都美術館 ジャンル別シェア
以前、東京都美術館は同じジャンルに偏りがないように30%制限を設けているとのことでした。
実際に以前は30%程度でした。
しかし、久しぶりにデータを取ってみると書が41%を超えていました。

書道が伸びてるわけじゃない

書道人口が増えているのか?というのは大きな誤解です。
書道人口は平成期から半減していると言われ、特に、”高齢者の趣味”だった書道は、コロナ禍で、最も打撃を受けたジャンルです。
このシェアアップの公的美術館を取り巻く問題が原因ではないかと思っています。

公的美術館の役割は終わったかも

書が伸びたのではなく他ジャンルのシェアが落ちたのだとうと推測します。
実は、全国にたくさんある公的美術館も同じでしょうけど、従来の公的美術館の役割が終わ率つあるのではないでしょうか?




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目的「都民のための美術の振興を図る」←形骸化

東京都美術館の設置目的「都民のための美術の振興を図る」らしいですが、この方針による運営が、利用者、来場者に支持されてないと感じます。
私達は、日本トップの東京都美術館を2回利用して、書道しか使えないかもしれないと思いました。

東京都美術館の公募展は200万円~(仮)

東京都美術館は、単位面積あたりの会場費は都内で圧倒的に安いです。
しかし、8日間借りる必要があるので会場費だけで最低で約50万円~必要です。
公募展は外部応募が必要なので広告宣伝費など、展示以外のコストがかかります。
私の経験だと200万円は必要です。
「都民のための美術の振興を図る」”公募展”のコストは”誰かが”負担しなくちゃいけません。
この負担問題をクリアする条件が、結果的に、都民の美術振興より、書道業界のためになっているっぽいです。

①公的美術館「公募展にしか貸さない」

東京都美術館を借りる条件は「公募展」である必要があります。
団体内の社中展、団体展への貸出は禁止しています。
一般的に公募展≒登竜門≒アマチュアや新興アート団体の展示が中心になります。



②公的美術館「アート作品の販売は禁止」

美術進行を図る目的なので、公募展のアート作品は販売禁止です。
最もアートを買いたくなる美術館で、アート販売が禁止です。
なぜか、入場料、図録、書道道具は販売可能です。

公的美術館は販売NGのアマチュア向けアートビジネス

設置目的「都民のための美術の振興を図る」を思い出してください。
振興を図るというお題目はいいんですが、リアルな話、運営者は運営費をどこかから稼ぐ必要があります。
一般的なギャラリー(画商等)は、プロのアーティストを招聘し、販売利益の50%ほどを取ることで運営しないと運営費が払えません。
しかし、公的美術館は①公募展(アマチュア) かつ、②アート販売禁止 というハードルがあり、一般的なアートビジネス手法が使えませんが、展示会を開催するためのお金は同じように必要です。

理想の追求は酷い実態を生む

共産主義は公平平等の素晴らしい理想ですが、実現しようとすると独裁主義になることを私達は知っています。
アートの世界も似ているかもしれません。
「都民のための美術の振興を図る」「芸術家の卵が初めて出品」という美しい話は「高齢者の書展」というまったく異なる現実になります。

公募数が読める組織へ

公的美術館を借りる運営の立場になって考えてください。
公募展の応募数は、応募を締め切らないとわかりません。
公的美術館は1年以上前に会場予約をするので(大手は5年前)、借りた時に応募数はわかりません。
そうなると運営は「公募数が読める組織」が有利です。
だって、団体内の所属人数から数字を計算できますから。
アートジャンルで徒弟制度が定着しているのは「道ビジネス」の書道業界だけです。
公的美術館は「公募展」のみなので、徒弟制度を持つ公募者の数が読める書道業界が有利になってきます。

【予備知識】進む新聞社の寡占 90%超

文化庁 生活文化調査研究事業 所属率

文化庁 生活文化調査研究事業調査の「書道」の所属率です。
ここから大半の書道教室は、何らかの組織(≒新聞社)の傘下にあるということがわかります。


独占禁止法の資料によると、上位2社で75%超シェアだと独占状態らしいので、書道業界は、そういう業界になっています。

書道業界は永遠のアマチュア

書道は、主要美大にない影響もあり、書道業界は「アート」と距離を取ってきました。
大手書道団体のビジネスモデルは公募展ありきで構成されていることでもわかります。
例:読売新聞社系列の書道団体の公募展出品(出世)の流れ
市区町村
→都道府県
→団体の中央書展
→読売書法展
→日展
学生のスポーツ予選から全国大会のような感じですが、これを10年以上(日展特選なら40年以上)かけて行います。
各公募展は、応募者数に応じた賞の配分が慣例(ガチ審査ではない)で、団体の力を誇示するために指導者は応募者数を減らしたくないという心理が働きます。
そうなると団体所属者は、上を目指す人ほど多数の出品が求められ、出品料+消耗品(+謝礼金)を払う必要があります。
積み上げると、年間50万円~100万円以上のお金が必要になるのです。
悲しいのは、日展の評価≠市場の評価 なのでアーティストで食いたい人は日展の価値は大変低くなります。
日展の応募数の75%以上が書道と言う数字からも、書道業界以外の不人気さがわかります。

「集金システム」に組み込まれた公募展

公的美術館の「美術の振興を図る」から産まれた①公募展(アマチュア) かつ、②アート販売禁止 というアートの市場ニーズと乖離した机上の空論が、徒弟制度を持つ書道業界には最適でした。

気が向いたら加筆します


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