アニメ「ばらかもん」書家の生活ってこう思われてるんだなぁ

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書道アニメ「ばらかもん」2014年夏アニメで好評。

以前、書道マンガ初アニメ化!「ばらかもん」 |という記事で触れましたが

2014年夏アニメとして日本テレビ「ばらかもん」(ヨシノサツキ氏)が始まりました。

ほのぼのとした内容に、2014年夏アニメ人気投票でも上位に来ています。

【あらすじ(WiKiより)】
「ばらかもん」は、五島列島方言で「元気者」の意。
書道家の半田清舟は、ある受賞パーティーで、自作を酷評した書道展示館の館長を殴ってしまう。見かねた父親は半田に「自分の人間として欠けている部分」を見つけさせるため、彼を自然豊かな五島へ送り込む。
そこで半田は天真爛漫少女・琴石なるをはじめとする個性的な島民達と出会い、親交を深めていく。田舎独特の人間関係に戸惑いながらも、半田は新しい何かを見つけ始めていた。

というものだそうです。




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書道では「酷評」ではなく「批評」といいます。

第1話で酷評されて館長を殴るときの館長のセリフが

館長「まだ若いのに、型にハマった字を書くね。
手本のような字と言うべきか。賞の為に書いた字と言うべきか。
きみは平凡という壁を乗り越えようとしたか?

それで↓こう殴っちゃうみたいです(笑)

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これが原因で五島に島流しになっちゃうんですね。

人を殴ったら島流しではなく、軽傷でも傷害罪で執行猶予&前科、死んだら殺人罪…

書道どころではありません(笑)

さて、「酷評された」とありましたが「酷評」ではなく「批評」の範囲内です。

「まだ若いのに、型にハマった字を書くね。」

→日本の書道は中華式の唐様。中華の真似を一生続ける人は多い。

「手本のような字と言うべきか。賞の為に書いた字と言うべきか。」

→実際は、若手どころかほとんどの競技者が賞のために書いています(笑)

だって、日本の書は美術品として売れないんです・・・(泣)

「 きみは平凡という壁を乗り越えようとしたか?」

→これ、大人も耳が痛い。超えられた人が近年いるのかな…。

書家の批評は弁護士相談より高いことも。

館長という人が団体にとってどういう立場なのか私には不明ですが

書家の批評は弁護士の弁護相談より高いです(笑)

審査員などの先生の主催する数万円の練成会(書道の合宿や集中講座のようなもの)に出向き

一言二言しか批評をもらえないということだってあります。

批評をいただくために、審査委員の先生のいる会派に所属(下部団体を勧められることも)して

切磋琢磨するんですね。

つまり、少なくとも主人公は目をかけてもらってたんですね(殴っちゃいましたが(笑))。

書家の主人公の職業は何?

館長を殴ったのに島流しという軽い罪ですんだ主人公ですが

物語を通じて、主人公の職業はなんなんだろうという疑問が湧いてきます。

「主人公は書家でしょ?」

と思うかもしれません。

でも、日本の審査員を審査する日展トップの作品ですら、美術品としての価値は難しいのです。




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書展が公営ギャンブルだったら書家も食える(笑)

この主人公は大きな賞レースの公募書展の作品を仕上げることに夢中なのですが

書道は、将棋・囲碁やテニスと違って公募展で賞をとっても賞金は出ません。

出品料15000円として公営ギャンブルの75%配当にした場合に、

毎日(3万点)4.5億円 →3.375億円

読売(2万点)3億円 →2.25億円 の配当金が可能になりますから、

大賞の賞金1億円だって可能です。

私が知るかぎり書道の公募展での最高賞金は東京書作展の大賞100万円(年1回1人)です。

(先生への御礼など、出ていくお金も多いので100万円貰っても手元に残るのかな。)

参照:大賞100万円 東京書作展 同じ団体に大賞が偏っている偶然も…

書家で食うのは大変厳しいなぁ。

主人公の無駄にリアルに考えてみると、傷害事件を起こしてニュースになってない様子なので、

川越シェフのようにイケメン書家でメディアに露出して

書作品や商業デザインをバンバン売っている設定ではなさそう。

→訂正 書籍もバンバン出してる有名な書家という設定でした(予想が外れた(笑))
先生方が公募展で賞歴を競うのは「日展」(現「改組新日展」)。
20代で日展に入賞するのはすごい。もし、特選なら街中大騒ぎ(すごくお金がかかるけど)。
日本最大の毎日展は、23歳までは「U23」として別扱い。

団体に所属して修行中の書家(世間からは自称「書家」扱いですが)の場合は

書家や書道家という職業の実態は、生徒に書を教えて月謝をもらって生計を立てています。

(私もそうです。うどよし書道教室はこちら(笑))

生徒に有料で教えているシーンは、まだのようです。

五島列島の最大人口の福江島(人口40,322人 人口密度 123人/km²)だったとして

仮説:月謝3,000円/月・人 ✕ 50人=15万円

ほどの収入になり十分暮らせます!

でも、1km²に123人しかいない(東京23区 14,389人/km² 116倍)ので

実際に50名の集客は無理だと実感(東京換算 約5000人)。

書家は書けば書くほど赤字に…。

墨も紙も消耗品なので、練習すればするほど赤字になります。

なので、収入はきちんと確保した上で、趣味で書道をやるのが一番かと思うのです。

だって、50円の紙に100回書いただけで、1万円が消えてなくなるのですから

バイトでは、生活費+書道代は生み出すことはできません。

日本のマンション事情などに適した小さい書作品が、公募展でも評価されるようになると

いいなと思います。

【おまけ】不思議な画像

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最後にオマケです。

誰も気づかなかったんですね(笑)

スタッフさんお疲れ様です!

(まさか漢字圏ではない国で最終チェックってことはないよね・・・(笑))


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