ペン字の生き残る道をメーカーさんにプレゼンしてきた【ゼブラ】

「キレイな字じゃなくてもイイ」と思う

以前から、私は「手書き文字の多様性」を提唱しています。
これは「美文字ビジネス」が主流の現在の手書き文字界隈では、なかなか賛同を得られにくい提案です。
例えるなら「天動説全盛期に地動説を唱える」状態だからです。
それでも、根気よく、いろいろな形で取り組みをおこないます。

初の企業プレゼン 楷書以外の書き方を問うてみた

今まで「手書き文字の多様性」を達成するための書展、#クセ字コンテスト、#こども手書きコレクションを通じて主要な筆記具メーカーさんたちと関係構築してきましたが、社内プレゼンは初めてのことです。
今、筆記具業界は、デジタル化により、実用だったペンの役割が大きく変わろうとしています。
実は、今から100年以上前に、実用の筆記具だった筆がペンに市場を奪われるゲームチェンジが行われました。
そのお陰で現在の「書道」が生まれたわけです。※書道は古い言葉を書く明治生まれの振興文化です
近代書道史を色眼鏡なしで、しっかり見ると、書道業界は文化になるべくして文化になっていると思われます。

筆記具「ペン」の生き残る道→「文化」化

書道業界が、明治の筆記具のゲームチェンジで、たまたま成功したわけではないことは共通認識として持ってほしい。
書道ビジネスは、師弟関係で技術の継承を続けているため技術に詳しくても、最も大事な書道史を学ぶ人はほぼいません。
今、書道愛好家が臨書している古い法帖、古筆は、明治になって使われるようになったことも知らないはずです。
実は、毛筆は、実用に縛られていた江戸時代より、実用から開放された明治以降の方が、書のバリエーションが増加しています。
つまり、書き方を”多様化”させることに成功したのです。
もし、筆記具業界の方が、書道の「文化」化で歩んだ道を150年ぶりのゲームチェンジに活かせることができたら、次世代の筆記具、手書き文字文化がより充実することは、大変望ましいことだと思います。


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