【とめはね問題】文化審「書き文字に多様性を!」(傍聴してきた)
話題のとめ、はね、はらい問題決着
今回、文化庁の文化審議会国語分科会に「とめはね問題」を直接、傍聴に行ってきました。
過去記事はこちらになりますが、書き文字の多様性を認める流れが確認されました。
まず、こういう会って一般人でも傍聴できるので、疑問があれば参加しましょう。
新聞、出版社、テレビなどに混ざって学生のブロガーのような人も参加していました。
文化審も「とめはね問題」がネット、メディアで話題になったことを認識しておりました。
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配布資料が分厚い
傍聴席に座ると資料が置いてありましたが、凄い分厚さです。
私は印刷の配布資料の高さが3.5cmの会議資料は始めてでした。
しかも、全部両面なんですから、片面なら7センチ…情報量が半端ない。
印刷するだけでも、どんだけ時間が必要なんでしょうか…。
官僚の帰宅が毎日深夜になるのも理解できます(お疲れ様です)。
文化審「昔から決まってたことの周知です。」
メディアの報道からは「新しい動きがある」ように見えますが、審議中にもしっかりと
今回一連の流れで「新しい決定内容はない」ことを強調しています。
当用漢字表(昭和21年)→当用漢字別表(昭和23年)→当用漢字音訓表(昭和23年/48年)
→当用漢字字体表(昭和24年)→常用漢字表(昭和56年/平成22年)
という流れの中で、明記されてきたことの再確認するという意味合いです。
昭和24年内閣告示第1号当用漢字字体表「使用上の注意事項」より
「筆写(かい書)の標準とする際には,点画の長短・方向・曲直・つけるかはなすか・とめるかはね又ははらうか等について,必ずしも拘束しないものがある」
美しく書くことと文字の正誤は別問題
日本人は「綺麗にかけないなら字を書くな!」くらいの勢いで「美文字」推ししてますが
私は、逆にあまりの「美文字」推しは手書き離れを起こすんじゃないかなと心配です。
昔の人は、手書きしかなかったので、そこに時間とお金を使えましたが
今は、情報伝達の手段が、手書き以外、電話、FAX、メール、動画…など強敵だらけ。
美文字は習字教室に繋がるから推したい気持ちはわかりますが、
今回の審議会のように手書きの多様性を認め、表現を模索する方が増えるといいと思います。
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書き文字が文化なら方言のような話し言葉も文化では?
冒頭では、日本語というソフトパワーでもGDP拡大に取り組むというような
現在の安倍内閣の経済政策をサポートする姿勢も見られました。
(GDP拡大はどの政権でもやるべきことなので政治色ということではないですが)
会議では「とめ、はね、はらいなどの方針を変えると先生方が混乱しないか?」といった
現場の先生への配慮すべきという意見があったという報告もありました。
(でも、昔から決まっていた内容を周知するのに、配慮するとまた、周知が遅れる気がする)
最後の方には、「書き言葉が文化なら、話し言葉も文化では?」という新提案が出ました。
こうやってまた、新たな議題が生まれてくるんだなと思いました。
傍聴してると質問したくなる!
会場はこんな感じの場所で、ほとんどの人は審議を傍聴したことがないと思います。
今回は、活発な意見交換は少なく、傍聴の私はいろいろと聞きたいことがありました。
審議終了後、担当者のところに行っていくつか質問をしてみました。
Q 小学校学習指導要領の書写について「筆順に従って文字を正しく書くこと」という一文があるが、文化庁として筆順は存在しないという立場のはずだが、これはどういう意味か?
A 「筆順指導の手引」にあるように正しい筆順というものはない。ここで言う筆順は、日本の筆記では、基本的に、筆記は左→右、上→下となっている。このような誰もが共通とする「筆順」を指している。どっちが先か後かという筆順ではない。
Q 会議では「書き文字の多様性を認める」と”多様性”という言葉が何度か出たが、資料には使われてないのではないか?
A 多様性と表記すると「なんでもあり」と誤解し、それに対して批判的な意見がでるのを避けるため、あえて資料では使っていない。意味としては「字体の範囲内で書き文字の多様性を認める」という意味。
会議で「移民」という単語が出てきました
国会中継をBGMに仕事をすることがあるのですが、内容がニュースになることもあります。
すると、会議の発言と全然違う印象で記事になったりするんですね(私の国語力の問題?)。
従来の書道は、過去のものなので変化はあまり無いですが(審査員の傾向と対策の方が大きい?)
こういう国の機関の傍聴の機会は平等に与えられているので、是非、行ってください(笑)
影響力がある立場になれれば、委員になって発言したいものですけどね…。
ただ、急にこういうことを周知するようになったのには違和感もありますね。
報道のニュースでは一切出てないですが、会議で「移民」という単語は数回出てきました。
日本は移民を受け入れてないというのは「移民認定した外国人」の受け入れが少ないだけで
外国人労働者が、かなりいることは現実。(私も外国人労働者と一緒に働いてた時期もある)。
「多様な書き文字を認める」というのは、日本語のハードルを高くし過ぎたら移民受け入れを
スムーズに行えるような環境づくりなのかもしれません(深読みしすぎ?)。
どちらにしても、和様をやっている私たちには追い風です。
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