テストに出た「慶安の御触書」が嘘だった
歴史や情報を調べるきっかけは書道から
私が歴史を調べる癖は、昔からあったわけではありません。
「和様」というニッチな書道ジャンルが仕事だからということが大きいです。
ざっくり私が和様を研究するまで、調べもせず、勝手に思い込んでいたことを、ざっと書くと
・書道に流派はない。→たくさんあった。過去最大が和様の御家流。
・江戸時代は漢文を読み書きできた。→漢学は極一部の人たちの教養(今と一緒)。
・寺子屋で”読み書き”は漢文。→漢字平仮名交じり(江戸の公式書体 和様”御家流”)を学んだ。
・書道は伝統がある。→今の書道 唐様は明治以降に主流。歴史は和様の方が圧倒的にある。
こんな感じです。
当然「そんなわけないやん!」って思う人は調べてみてください。
自分の専門ジャンルで多くの誤解や知らなかったことがありました(これからも出るでしょう)。
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「慶安の御触書」は発見すらされてない
最近、朝日新聞が”いわゆる従軍慰安婦”問題について間違いを認め謝罪しました。
庶民からしたら「そんな重要な内容を、証拠なしで思い込みで記事にしちゃうの?」
って思いますけども、書道の件から想像しても有り得る話です。
ただ、両国国民を傷つける大間違いは、二度と繰り返してほしくないです。
同様に、過去にも間違いをそのまま事実のように語られて、事実になり、
歴史教科書に掲載されたままになってしまうこともあるでしょう。
その1例がテストに必ず出た「慶安の御触書」です。
下部の添付動画(その前の2後半から見たほうがわかりやすいですが)で藤岡信勝先生が明確に
「慶安の御触書は発見されていない」とおっしゃっています。
疑った経験がある私でも「ええええ?」ってなっちゃいました。
江戸否定の明治政府に作られた歴史観?
明治を賞賛する方がいる一方で「大体、明治のせい」と明治時代を否定する人たちもいます。
和様をやっている私の立場では、純粋ではないですが、後者の立場に近いです。
私達は学校で江戸時代は
・江戸幕府は士農工商の身分制度
・苗字帯刀が許されたのは武士のみ
・国民の8割の農民は四公六民で”生かさず殺さず”の暮し
と習いました。
これだと「江戸時代は暗黒時代」という印象です。
江戸時代は暗黒のはずが、なぜか楽しそう
しかし、一方でこんな内容も学んでいます。
・寺子屋→現代でも学校のない国があるのに、江戸時代の日本にはあって通わせる余裕があった。
・浮世絵、歌舞伎、相撲→当時から世界に影響をあたえる文化の発生。
・長期間の平和→260年も戦争がないなんて最高じゃない?。(米国、朝鮮、中東は未だに戦争中)
・当時の江戸は世界唯一の100万人都市(当時のロンドン、パリの倍以上)。
・苗字があった→私の家は武士ではないけど江戸時代に(正式に)苗字があった。
これだと庶民が重い税金で苦しんでいるのに、庶民が学校に行ったり文化発展するとか
冷静に考えたらおかしい状態だとおもうのです。
私の専門の和様も同様ですが、明治政府は前政権の江戸時代のことを認めない、教えない、否定する
傾向があったように思います。
「慶安の御触書」のように明治にはすでに疑わしかったにもかかわらず、否定することを行わず
引っ張ってしまったことで、嘘が本当のようになってしまうようです。
今は、士農工商、四民平等も現在の教科書には記載がないとの話ですね。
インターネットによる情報共有が可能なので、自分で調べることができますが
学校で一度身についてしまった先入観や歴史観は簡単には覆せませんね。
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