「書道」単語誕生に新説!明治36年→明治30年(1897年)?

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“書道”という単語の初見は「明治36年説」だった

私も過去ブログや動画などでも”書道”という単語は明治36年「書道講習録(斯華会)」がより以前には見つかっていないと話をしてきました。
しかし、書道講習録は書籍のタイトルなので、以前に“書道”という単語は登場していたのでは?と思っていました。
そして、可能性があるのではないかという書籍を見つけました。

明治30年「書法自在」という本です

タイトルこそ“書法”ですが、文章の中に“書道”という単語が出てきます。

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書籍名 書法自在 (シリーズ名 日用百科全書:第23編)
発売 明治30年(1897年)
出版社 博文館
編集 大橋又太郎
内容は、前章では唐様が徳川の時代からやられてて、巻菱湖とかいうやつが有名だったとか
色々書いていて、一流一派を文章で書くのは大変だから系譜にまとめたよ。みたいな感じ(笑)
和様の成り立ちのようなことを書いています(まあり読んでないけど原文は最後に掲載)。
「第五 日本の書道の諸流派 前章日本書道傳流の部に於て」と書いています。※傳流=伝流
確実に現在の“書道”の意味で使っていますので、出版の時期に間違いがなければ、現在のところ「書法自在」が“書道”という単語を使った最も古い、最初の書籍になります。

一応、御家流にも触れている

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“書道”の登場した次のページには、散々唐様のことに触れたので一応、御家流のことが触れられています。
紹介すると「さて、後世各流派の中にも、毅然として一流の特色を持し、而して動かざるものは、行成傳統の世尊寺派と、忠通傳統の宝性寺派と、尊円親王傳統の御家流との三流なるべし。」と書いています。
揺るぎない3流派を挙げるなら世尊寺流と宝性寺流と御家流だよ。
ということでしょうか。
しかし、30年前の公式書体の御家流が、後世のものになんですね。
みなさんも時間があれば読んでみてください。
また、これ以前にも使われている可能性もあります。
最初は「書の道なるや」とか書いているかもしれませんしね。
こういう誰も気にしない事を探すのも、元理系の私は楽しいです。

書法自在 図書 大橋又太郎 編  博文館, 1897 明30.10

書法自在 図書 大橋又太郎 編  博文館, 1897 明30.10

資料は国立国会図書館データベースから転載したものです。


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  1. 通りがかり

    http://www.geocities.jp/sho_art_jp/zakkan/shoshohoushodou.html
    こういうサイトを見つけました。
    扶桑略記に書道という言葉が登場している、ということはこのサイトでは触れられていたでしょうか?

    • udoyoshi

      コメントありがとうございます。
      「扶桑略記」の原文をみたことがないのですが
      仮に、それが出現していたとしても「書道」の意味で使われてなければ
      たまたまそういう漢字の組み合わせが発生しただけの可能性もあるので
      カウントしないほうがいいと考えます。

      >「・・・天文、漏剋、漢音、書道云々」と羅列してあるのが初出で、

      現在の中国語で「手紙」はトイレットペーパー、「愛人」は配偶者を意味しますので
      「書道」は今の書道とは違う可能性が高いと思います(中国語で「書道」は「書法」)。

      >それ以降、江戸時代まで「書道」という言葉はあまり使われていないようです。
      江戸時代に使っていたというソースは私も初耳です。
      江戸時代は筆に変わる筆記具が一般的ではないので「道」を付けることには不自然さを感じます。
      ただ、現在の書道の唐様は一部で行われていましたので情報があれば知りたいです。
      (当時も日本では唐様に情報技術として実用性がないので浸透はしてないですけどね)

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