「スポーツ庁」の看板を北魏調に修正してみた


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急にサイトのアクセス数が上がってたから…

10月に入って私のサイトのアクセスが急に上がっていました。image11

原因は「文化庁」のキーワードでアクセスが増えていました。

ニュースを確認すると「スポーツ庁」の看板の題字が話題になっていました。

毎回注目される新省庁の看板の題字

新規の省庁ができると初代トップが題字を書く場合が多いようです(例外は結構ある)。

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注目されるようになったのは、今回のキーワードにもなった「文化庁」からです。

詳細は「内閣人事局」の看板が酷い→検証→手本が悪いと判明をご参照ください。

「スポーツ庁」はどうなんでしょうか?

今回のスポーツ庁は、ネットで話題になっていたので、間を開けて今更書きます(笑)

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知っている人も多いですけど、文部科学省は書道の管轄もしているわけですよ。

日展も人間国宝も芸術員会員も、書道を含む芸術関係はすべての親玉が文部科学省です。

その文部科学省の入り口が、こんな状態になっているのはどうなんでしょうかとは思います(面白いけど)。

「スポーツ庁」の看板の題字は北魏調の特徴がある

参考にした書のスタイルがあるとしたら一般人には無名ですが北魏の書に似ていると思います。

と言っても、北魏の書ってどんなの?ってなりますよね。

一応、参考に法帖(古い中華の石碑や書物≒書道の手本)「造像記(賀蘭汗造像記)」からの抜粋です。

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入筆、終筆が北魏の特徴の一つ(参考 造像記)

北魏(386年 – 534年 ※三国志の魏とは違う。三国志と随の間)の書体の特徴として

一般の方でも知っている楷書と比べても、やたらトゲトゲして尖っているようにも見えます。

ただし、石に彫っているものなので筆の文字ではありません(筆は紀元前から存在しています)。

ちなみに、現在の楷書はこの北魏を含む南北朝~隋唐時代にかけて確立したとされています。

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「スポーツ庁」の書デザインに歴史的な一貫性はない気がします

仮に北魏の書を参考にしたとしたら疑問点が出てきます。

「ポ」の右「丶」と「庁」の「丁」の右にも同様のハネの特徴がない点です。

逆に言えば、書の発生順において最も新しい書体の楷書の特徴です。

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北魏の良さは、このゴツゴツした刺さりそうなデザインです。

ここを、なぜ楷書にしたのか不思議です。

左のハネは爨寶子碑では?

「ス」、「庁」の「广」の左上へのハライ?ハネ?は造像記にはない特徴です。

この特徴は10年ほど前から、ネット上でよく見かける書のデザインです。

ブログコメントで「左のハネは爨寶子碑(さんぽうしひ)では?」と頂きました。

今回、メインの造像記とは違いますが、400年頃と時代も同時期の法帖です。

(書道業界では北魏に入れているんですかね?私はわかりません。)

特徴は、今回の「ス」にある左ハネです。

この時代は隷書→楷書の移行期のものともされている時代。

左ハネと左ハライは、どっちが政治文章として適するか大勢が決まってなかった

試行錯誤の時代だったのでしょう。

現在、左のハネが存在しない=ハライに負けて不採用だったということです。

かっこ良く言うと淘汰された幻のデザインということになります。

「スポーツ庁」は隋唐時代の楷書までの書体の成り立ちを取り入れたキメラ書体で

かなり書に精通している人物が指導した!と言えなくもない(超善意での解説)。

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看板「スポーツ庁」の違和感を修正してみた

今回の「スポーツ庁」の画像パーツを使って、一貫性をもたせるように修正してみました。

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好みはあるでしょうけど、修正後のafterの方は、くどくなく、すっきり感があります。

ニュースでは、当時文部科学大臣の下村議員が書かれたようですが、

下村さんが北魏の書を知っている可能性は低いと思いますし、

さらに、最後に指摘した左ハネ?のような現代的なデザインを使うかな?と思います。

そのため若手の書家で、大手書展に関わってない方の手本があった可能性はあります。

ハネやハライ、かすれの多用は、書の弱さの証明?

一般人に上手く見せるには、ハネ、ハライ、かすれを多く、ダイナミックに使うといいです。

逆に、こういう装飾を必要以上に使っている書作品は、作者の技量が低い証明にもなります。

書は別視点で見ると、黒と白の配置を楽しむ芸事です。

究極は、いかに少ない黒で、より多くの白を支配するかという場所取りゲームです。

無駄に黒を使わないと白を支配できない=黒を効果的に配置できない→技量が低い

ということになろうかと思います(私も和様の中で少しでも成果を残したいと思っています)。

だから、一般には理解が難しいですが、やっている人には何十年もやりがい続くわけです(笑)。

「文化庁」の事例もあるので(笑)

さて、すべて推測で話をしておりますが「スポーツ庁」「文部科学省」「文化庁」が並ぶ絵は

なんとも言えない状態ですね。

しかし、文化庁の題字のせいで「スポーツ庁」が霞みます(笑)

そういう意味で揮毫した書家としては大成功の題字の一つかもしれません。

「カタカナを筆で書くのは難しかったろうと思います」

余談ですが、これは山本もとひろ議員(文部科学大臣政務官)のツイートです。

漢字より日本独自の文字のカタカナの方が難しいと思う感覚に疑問を持ってほしいかな。

現在の習字のカリキュラムが漢字中心で、筆で日本語の文章を書く練習をしないから

慣れた漢字より、不慣れな日本語のカタカナの方が難しいと思うのです。

実は、カタカナは漢字の一部を使ったものなので、漢字と混ぜて書く場合には

曲線の ひらがな よりカタカナの方が、遥かに相性が良いので簡単なのですよ。

だから、ひらがなの省庁が新規にできた時には(ないだろうけど)手本を書かせてね♪

ネットでの不満は、今回の1/3には減ります!是非、ご連絡を!

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コメント

    • トム
    • 2015年 10月 08日

    考察、興味深く拝読しております。
    左のハネ、最近のデザインの特徴というより、爨寶子碑を見たって事はないですか?
    なかなかマニアックなセレクトかもしれませんが。
    それでも、右のトメは不思議ですし・・・
    afterの写真、流石です!!

    ひらがなの省庁ができるのが、楽しみですね(*^▽^*)

      • udoyoshi
      • 2015年 10月 12日

      トムさんこんにちは。
      >左のハネ、最近のデザインの特徴というより、爨寶子碑を見たって事はないですか?
      爨寶子碑の左ハネが解説に抜けていました!
      「いろんな時代の物をかき集めて作った」という善意の解釈ができますね。
      本文に追記させてもらいます。
      今後共、ご愛読と厳しいご批評とご指摘お願いします。

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