子供は書と絵を一緒に書くんだなと思った話
書と美術が別授業なのが残念
2015年うどよし書道教室では、子供向けワークショップに取り組みました。
これからも、機会をいただけたら前向き検討したいなと思っています。
作品の参考
そんな中、気付いたことがあります。
「子供は書(文字)と絵を一緒に書く」ということです。
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義務教育の習字と図工の影響?
子供の頃は、書(文字)も絵も同じ平面に書く(描く)という点で同じものなんでしょう。
でも、学年が上がるほど書と絵を一緒に書く傾向はなくなります。
しかし、小学校高学年になると、誰かに教えられたわけでもなく絵に文字を入れなくなります。
文字を書く習字と絵を描く図工が別の授業という影響があるのかもしれません。
これは残念な傾向だなと思いました。
習字で初めて字を覚える子供はいない
「習字」は「字を習う(覚える)」教科ですが、今、習字で初めて字を覚える子供はいません。
私の時代でも、国語の授業で習っていない文字は習字の課題にならなかったと思います。
習字の授業は、楷書を大きな筆で書くための習字です(学習指導要領もそうなっているかと)。
字を知っている高学年は小筆で、日常の現代文を書くべきなのですけども
年齢が上がるほど、大きな筆で外国語の漢文を書く傾向は続いています。
書と絵の一体の作品は大人に人気
さて、子供の頃に見られた「書と絵を一緒に書く」書画一体の作風は世間で人気があります。
皆さんがイメージしやすいのは絵手紙などがいいかもしれません。
私の教室でも「展示会には書画一体の作品を見たい」とリクエストがあります。
過去の生徒作例とうどよし作例も参考として載せておきます。
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Q「書と絵 どっちが難しい?」
「絵がある作品がいいですね。」とよい感想をいただきます。
ほとんどの人が「書より絵の方が難しい」と思うようです。
これは絵が難しいというよりも、書が簡単に見えるんだと思います(泣)。
添付した私と生徒作例を比較してくださいませ。
生徒作例も絵は、それなりに描けているのです(酷いものはないかと思います)。
私の作例が評価されるとしたら、それは、絵を活かすための書の差にあるのです。
ここで説明は割愛しますが、カンタンそうに見えて、すごく難しいんです。
おそらく絵手紙も、絵ではなく書(と言葉)がボトルネックになって伸び悩むはずです。
絵手紙の創始者 小池先生も「書は自由に書けばいい」と具体的指導をしなかったと思いますが
しなかったのではなく、そこまで手が回らなかったのではないかと思っています。
(書き文字の変化の歴史から見て、漢字ひらかな交じりの書の開発はかなり困難です。)
日本語の筆文字の多様な活用の展開を期待
幼少の作品のように書と絵を合わせる作風は自然に湧いて出てくるものです。
それが高学年になるにつれて、子供達が書画一体の作品を描かなくなるのはもったいないですね。
高学年でも、文字と絵が一体の作品を作れる環境があればいいなと思います。
近年、ようやく文科省も書き文字の多様性を認める方向を打ち出してきました。
この方向は「日本語が乱れる!」と言われる方もいるかもしれません。
残念ながら、私たち日本人は、今150年前の江戸文字(御家流)が読めません。
つまり、明治以降、日本語の書き文字は読めなくなるほど乱れたということなのです。
でも、筆やペンでの書き文字の多様性が認められていけば、
クラシック一辺倒だった音楽がジャズ、ロックが生まれたように、
一定の制限下で自由にして、日本語の筆記に新しいスタイルが生まれたらいいなと期待します。
そうなると、子供の頃、自然にやっていた書画一体の作品を、
大人もやるようになるんじゃないのかな?と思ってみたり。
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