書道、華道、茶道…検索トレンドから見る「道」の伝統文化
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「道」の付く伝統文化で比較してみた
いきなり結論のようなグラフを載せてしまいます。
このグラフを見てわかるように、
1位 書道 (平均値49)
2位 茶道 (平均値34)
3位 華道+生け花 (平均値13) ※2015年12月20日時点
となっています。
2010年から書道がやや持ち直し、茶道が下落?
2009年~2010年に何があったのか、原因はわかりませんが、私なりに考えてみました。
2007年「書道パフォーマンス甲子園」がスタート
2008年「ばらかもん」読み切り(2009年 Webにて連載)→2014年 アニメ化(日本テレビ)
2010年 映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」公開(日本テレビ)
「とめはねっ! 鈴里高校書道部」連載開始(小学館)→2010年 ドラマ化(NHK)
書道が漫画、ドラマ、映画になるという傾向は過去にありませんでした。
(私が知る限り最初の書道漫画は1997年小学館「ラブレター」若狭たけし氏と思います。)
書で最もメディア露出の大きいものといえば「NHK大河ドラマ」なのでチェックしてみると
2009年 武田氏、2010年 紫舟氏と2年連続でメディア露出の高い2方が採用されています。
2008年頃からコンテストや漫画など「書道」をメディア露出がやりやすい環境が整ってきて
そこにNHKと日テレのメディアが中心で「書道」ブームを作って盛り上げてくれたんですね。
私が教室を立ち上げた2010年頃から書家自体のメディア露出しやすい環境だったと思います。
これを書道団体主導で仕掛けて成功したのなら、安泰なんですけどね。
若手をメディア露出させない体質…
まとめてみると、この流れは書道団体にあまり関係のないところで起こった現象のようです。
実際、書道パフォーマンスも愛媛県の「和紙の町」四国中央市の町おこしが発端で、
書道団体によっては、書道パフォーマンスは賛否分かれていると思います。
たぶん、華道も茶道も似たような傾向はあると思いますが
大手書道団体は、特に若手の書家のメディア露出には、批判的な人が多いです。
若い人(30代以下)がメディア露出をしようとすると所属団体が出演NGを出すんです。
メディアは「見た目>書の技量」重視なので、若い人に出てほしいのですが(特に女性)、
「現在の技量で団体の顔をされたら恥ずかしい。」と思うのかNGになります。
おそらく所属団体を名乗ってyoutubeで動画公開もNGだと思います。
大手団体は技量もありメディアがほしい人材を確保しながら協力できていないのです。
メディア側も書道団体以外のそれっぽい人を使うのは仕方ないと思います。
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「歌舞伎」が「能」を露出で上回った結果…
「能(狂言)」と「歌舞伎」を同じ「伝統芸能」で同列に扱う人も多いようです。
(比較するのも変ですが、伝統と格式では「能(狂言)」が上です。)
テレビなどで親しみがあるのは、江戸の大衆娯楽だった歌舞伎の方ですからわかりますし、
歌舞伎座がどこにあるか知っていても、能楽堂がどこにあるか知らないですよね。
外国人の観光客の方も「歌舞伎」の方が知名度があるようです。
「唐様」が「和様」を教育で上回った結果…
現在の書道の中心「唐様」も、明治時代初期まで「和様」が圧倒的なシェアだったのが
明治政府の政策によって、現在のように圧倒的に逆転されてしまっています。
さらに、江戸時代「書」は実用品だったものが、筆→ペンに替わり、実用性を失い
「書道」になり、芸事、習い事、嗜みになったことで華道、茶道と同列になりました。
たまたま、今は、書道のほうが、学校教育にも必須なので露出が上回っているだけで
メディア媒体も教育体制もどんどん変化しますから、今後、どうなるかわかりません。
もし、毛筆が学校教育から外れるようなことになったら、現在の書道業界は大ピンチです。
「お前ら、こんなんがええんやろ?」
グーグルで画像検索で「書道」とした場合のTOP画面です。
この画像や街中の看板、ラベルなど見てわかるように、一般の書道のイメージかと思います。
このサイトを見ている書家さんや書道関係の方はわかるとは思いますが
どの団体でも共通する書の美意識とだいぶ乖離があると思います。
しかし、世間は、これを書道と思っているわけです。
提供する広告代理店も「お前ら、こんなんがええんやろ?」というツボをついてきます。
きちんとしたものを、きちんと露出していかないと、あっという間に変わっていきます。
一度、流れ始めたら止めるのは容易ではありません。
良貨が悪貨を駆逐する
グレシャムの法則 「悪貨は良貨を駆逐する」
金本位制の経済学の法則のひとつで、貨幣の額面価値と実質価値に乖離が生じた場合、より実質価値の高い貨幣が流通過程から駆逐され、より実質価値の低い貨幣が流通するという法則である。
現状の懸念は、完全一致ではないですが、グレシャムの法則状態じゃないかということです。
値段と品質に差が出た”悪貨”を放置しておくと、品質の低い方が基準になってしまいます。
すでにグーグル画像検索は、良貨を今から提供しても、現状では逆転するのは困難ですね。
書道は、筆と墨と紙があれば誰でもできる参入障壁の低いものですから、
一般の方の鑑賞眼を養う活動をしないと、数にまさる悪貨には一切対抗できないと思います。
逆に、茶道は学校教育や大きなメディア露出もないのに凄いと感じます。
「飲み物」という点では、まだまだ可能性を秘めている気がします。
ただ、家元制という参入障壁があるので、悪貨は出にくいかもしれませんが
それだけでは保守するだけになるので、現在のトレンドではジリ貧です。
書道のようにメディア露出するようなコンテンツが生まれたらいいのですが
家元制なので、組織を保ちながらコントロールするのは難しいですね。
ただ、もう、住宅事情が変わりすぎていますので
「生け花と茶掛のある床の間でお茶を飲む」ということは難しそうですね。
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