大手公募展「一見さんお断り」なのは常識 2008年「墨」192号より
大手公益団体は公募展なのに一見さんお断り
今回も、芸術新聞社「墨」2008年192号「書道展がまるわかり」よりピックアップしたいと思います。
「書道の審査は公平にされているのか」という話がでますが専門誌を読んでいたら明記しています。
日展会員、読売書法展常任理事(大東文化大学書道学科教授)の立場で高木厚人氏も答えています。
・中央展(日展、毎日、読売と思われる。全て公益団体)では、無所属の出品での受賞は1%未満。
つまり、身内で出品しても通らないし、通ってもお礼が必要なのに、
お礼ももらえないどこの誰かわからない外部の出品者に賞を与える余裕はないってことです。
さらに、こういう情報があるということは身内かどうか区別する何かがあるということですね。
この立場の方が、実名で明記して、全く問題にならないほどの業界の常識なのでしょう。
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審査員の指導が”成果”につながる
・公募書展は、原則、一人でも出品できる。
・日展、毎日、読売は審査員クラスの指導の元、出品するほうが成果が出る。
受験勉強の場合、”成果”は志望校への合格です。
書道での”成果”は受賞ということになっているようです。
要は、予備校に行ってテストに出るところを教えてもらう訳です。
本人が望むなら全く問題ないことだと思います。
でも、公益法人の公募展だからなぁ…
結局「公益法人&公募展」という点、特に「公募展」という点なんですよね。
大学受験は受験料さえ払っていれば合格の可能性は平等です。
でも、2013年の日展の問題も同様、出品料を払っても不平等で
「当たりクジの入ってないクジ」なら詐欺と言われても仕方ないです。
なにより、すでに現実に起こっている競技人口の大幅な減少の原因の一つと思います。
競技人口の増加は権威より大事
賞歴があれば、お偉いさんを説得したり営業が超絶スムーズになるだろう場面に多く出会いました。
だから、賞歴や権威は広告効果、信用確保が欲しい人にとって通行手形になります。
それに見合った投資が生まれることもあるでしょう。
一方で、相手がメディアや素人だからと、それらしい賞歴を作って並べる人もいます。
現在の公募展の賞の権威を高める作業というものも必要もあるという人もいるでしょう。
でも、もう数十年、書道人口は減少傾向ですから、権威で人が集まらなくなっている気がします。
権威で人が集まるスパイラルだったのが、今は、離脱するスパイラルになっているようです。
さて、これからどうするかなってところですね。
公益法人取り下げを切望します。
正しい文化継承が必要だと思います。
コメントありがとうございます。
正しい審査をしていると思っている方にとっては気分が悪いですね。
http://udoyoshi.com/archives/1243
桑原喬林子氏は「いわゆる素人芸、アマチュアとすべき人が入選している」
と第5回日展の状況報告で指摘しています。
日展は当初から現在のようなお礼や不正はあったようです。
「正しい文化継承」となると、それをどこの時点にするのかとなると難しいですね。
伝統的な書き文字となると江戸の御家流は候補になりますが
現在、御家流の書家はゼロで
伝統を重視する読売書法会が協力した2013年の和様の書展(東京都博物館)でさえ
最も普及した御家流の展示がゼロですから、コレもいろいろ難しいのでしょう。