「日本一ゆるい書道手本(無料配布)」&「こども手書きコレクション」の背景

「日本一ゆるい手本」とは?

2017年より、日本最大の小中学校の書道コンクール「JA共催書道コンクール」向けに、現代文の和様の書道手本を無料提供している企画です。
書道コンテストでは、楷書以外を大人の都合で認めないので「楷書が苦手=手書き文字が苦手」となり、大変もったいないことをしているので、そこに1石を投じている活動です。
おかげさまで徐々に知られるようになり、毎年、少しずつダウンロード数が伸びています。

「日本一ゆるい手本」を手入!




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「#こども手書きコレクション」とは?

「#こども手書きコレクション」は2020年3月開始。
コロナ禍となった急に増えた”おうち時間”を少しでも自宅にあるもので楽しく過ごしてもらおうと、付き合いのある筆記具メーカーさん他と立ち上げた完全オンライン型、子供の手書き文字コンテスト。
同じ手法で、同じ予算でやっていますが、SNSなのでタイミングというのもあり、乱高下しますが、少しずつ伸びている?ような気がします。

こども手書きコレクション詳細

 「キレイな字じゃないとダメ」という偏見をなくしたい

小さい団体が、このような「公募企画」を実施することは文化事業では大変レアだと思います。
文字のデジタル化により、手書き離れが進んでいるにも関わらず、手書き業界の閉塞感から脱却させたいという想いが強い気がします。
キレイな字はフォントで代用できる時代に、書道愛好家、手書き文字関係者は、未だに「キレイな字じゃないとダメ」というマーケティング、プロモーション一辺倒です。
(今の時代、不安を煽る営業手法は「消費者契約法 不安をあおる告知」としてダメなんです)
手書き文字業界の限られたリソースを、終焉を迎えるだろう、レガシー市場に全振りすることは日本の手書き業界にとって大変な損失です(名だたる家電メーカーの現状を見てください…)。
(近い理由で、日本語の現代文に真正面から取り組まず、外国文化の漢文に集中している書道業界も同様です)
この流れを、少しでも早く止めないといけないと思っている業界の少数派だからです。




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天動説が主流の世界で地動説をさけぶ「楷書だけじゃないよ!」

「キレイな字じゃないとダメ」の偏見は、明治時代に唐様(楷書)を採用した約150年前までさかのぼります。
150年かけて定着した偏見をなくすことは難しく、「天動説が主流の時代に地動説を説く」感じだと思います(書道の場合は、偏見の話で、どっちが正しいという論争ではない)。
そこで、凝り固まった大人を説得しつつ、一方で、「日本一ゆるい書道手本」、「こども手書きコレクション」といった企画を通じて、まだ、偏見のない、柔軟な思考がある子供に多様性のある日本語の手書き文字の世界を楽しんでもらおうと思っています。

「手書き文字の多様性」の抵抗勢力は「新聞社」「文化庁」?

「キレイな字じゃないとダメ」の偏見をなくしたい=既存のルールを変えるので、困る人たちがいます。
既存の「新聞社系の書道団体」(書道業界≒大手新聞社)や、その親の「文化庁」です。
例としては、日本文化の紹介動画で「楷書は日本文化」と誤解を生むような動画を配信しています。
日本の書道が、カレーやラーメンのように日本化していたなら「日本文化」として大いに主張したいし、ユネスコにも申請したいです。(中国は通過済み、日本は申請できてない)
もし、文化庁が「カレーはインド式以外はダメ」としていたら、日本独自のカレー文化は生まれなかったと思います。
実際に、文化庁、新聞社、美術館、博物館までも「古い中華の書が一番、素晴らしい」「とめ、はね、はらいで画一化した文字がキレイな字」という団体だけを扱うことで、多様性ある手書き文字が生まれる環境が生まれにくくしています。(そういう意図がなくても、結果的にそうなってしまう)
私の活動は、そんな、焼け石に水滴ですが、焼く前の石に「キレイな字じゃないとダメじゃないんだよ」「字体を守れば自由でいいんだよ」と伝えていきたいです。


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