書道体験で「文化の盗用」に注意「楷書は日本文化?」


最も身近な「日本文化」の「書道」の持つ危険性

東京新聞【TOKYO発】「訪日客と縁結ぶ 神田明神が体験コース」

東京新聞【TOKYO発】「訪日客と縁結ぶ 神田明神が体験コース」2019年11月12日

こんにちは、うどよし です。
2020年1月からの「和様の書展」前なので、かなり忙しい毎日を送っております。
そのため、かなりざっくりとした記事になることをお許しください。
2020年が近づくとオリンピックモードになり、日本文化体験をする外国人の方も増えていくのだろうと想像します。
日本文化といっても、日本人ですら体験したことがないものも多い中、ほとんどの日本人が体験している「書道(習字)」は大変身近なものです。
そのため、今後、あらゆるところで「訪日外国人向けの書道体験」が実施されるのではないかと思います。
ここで注意があります。
「書道(習字)の楷書は日本文化といい切れますか?」という点です。




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2019年下着ブランド「Kimono」の「文化の盗用」問題

あまり日本人から言いにくい話ではありますが、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)氏が自身の下着ブランドに「Kimono」と商標登録し「文化の盗用」と批判をされ、以下のようにブランド名変更をしました。

この騒動で、京都市(日本側)は、抗議文を送付までしています。

「ブランド名として「KIMONO」の使用について再考いただくよう,別紙のとおり,理解を求める文面をお送りします。」

私は、この騒動を見て、グローバル化するとグローバルのルールにも巻き込まれるため、単一民族の日本人にとって想定外の問題の想定が必要と知りました。
そして、日本の「書道」は、まさにこの状態であると感じました。

漢字だけの楷書の書道は日本文化か?

「Kimono」騒動を知るまでは、「日本の書道は、日本に根づいた文化だから”日本文化”」という主張は一般的に通用すると思っていました(私は違う意見ですけどね)。
しかし、「Kimono」騒動を見て、日本側も公式に抗議している以上、国際的には無理と思うようになりました。
そもそも、国際的には「日本の書道は日本文化と主張できない」という現実を書道業界上位層は理解しているはずです。
「日本の書道をユネスコ登録を目指す」と言う話が出たときに
【当初】「日本の書道文化」の登録を目指す
【実態】「日本の書き初め文化」の登録を目指す
とトーンダウンしていたからです。
書道業界の人は知っているでしょうけど、日本の書道は外国文化の漢文が主流です。
(実は、日本最大の芸術文化は、洋画ではなく「漢文」。どっちにしても外国文化が主流。)
日本が漢文が主体の日本の書道をユネスコ登録を目指すことは、キム・カーダシアン氏が「Kimono」を商標登録しようとした構図と同じです。

日本の書道文化をユネスコ登録へ→実態は「書き初め」でした

書道体験は「文化の盗用」の危険性に注意

書道体験の文化盗用問題

グーグルで「書道体験」と検索して出てきた画像ですが、楷書の漢字ばかりという実態がわかると思います。
「ひらがな」を使っているのは、唯一、右上の当団体のみです。
実際に、この他の画像をみても漢字だけで、「ひらがな」の入ったものは、ほとんどありません。
厳密に言うと「楷書&漢字だけ」の場合、和製漢語や国字の議論が必要になります。




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「ひらがな交じり」「楷書を使わない」という選択

一般人が書道体験を提供するなら、問題になることはないと思うのです。
心配なのは日本企業で、特に、オリンピックの公式スポンサーなどは高い炎上エネルギーを持っています。
実際に、私は、米国の日本語教師から「中華系アメリカ人から”楷書は中華文化”と指摘されて初めて気付いた。日本式の書き方を教えてほしい。」と言う相談を受け、帰国された際に、受講にいらっしゃいました。
文化盗用の回避には「ひらがな交じりの日本語を楷書で書く」という選択肢があります。
これが一番簡単な回避方法です。
「ひらがなは日本文化だから問題はない」という主張ができます。
ただ、歴史的な成り立ちで言うと、楷書のひらがなは、明治時代に、楷書と相性が良いようにリデザインしたものです。(楷書由来のデザイン)
次は、「楷書を使わない」と言う選択肢があります。
前出の米国の日本語教師「日本式の書き方を教えてほしい」となったのは「楷書以外の書き方を知らない」から相談してきたのです。
そうなんです…明治政府が日本式の書き方「和様」を禁止してしまったので、現在、楷書以外で日本語を書く書き方がないのです。
(「和様」がないから再興しようという私達の活動の元がコレ。)
だからといって、一番やめてほしいのが、「じゃあ、書道体験やめる」と言う選択…。

今からでも現代版「和様」を再興

ないものは作ればいいのです。
どんな文化だって0からのスタートです。
音楽だってクラシック音楽だけなら、今頃、誰もやってないかも知れません。
JAZZもPOPSやHIPHOP(1970年代と歴史は浅い)が生まれたから、音楽全体が維持されていると思います。
伝統を守りたい人は、それをやるし、伝統を利用、活用したい人は、その資産を使うべきです。
そうしないと、守る人たち向け予算がなくなります。
結論を言うと、書道体験の「文化盗用」問題を回避するためには、日本人の持っている固定概念をすてて、楷書にこだわらず日本語を書けばいいのです。
訪日外国人が「楷書を書きたい」と言ったら、それをさせてあげたらいいと思います。
悲しいのは、日本で書道体験をしたら、実は「Chinese style」だったという”おもてなし”の方向性は”なし”でお願いします。

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