「選挙で若者は老人に勝てない?」大嘘です…が、書道業界は結局、厳しい

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書道業界はかなり高齢化です

2015年5月17日 大阪市民による大阪都構想の住民投票が行われました。

結果は

▽「反対」70万5585票
▽「賛成」69万4844票
投票率は約67%。

「反対」が「賛成」をわずか1万票余り(得票率にして0.8%)上回り、多数となりました。

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この結果を受けて分析が色んな所で分析されているのですが、とりわけ有名?なのがこちら。

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このグラフを見ると「老人世代の反対票が大きな影響を及ぼした」ように見えます。

これらの影響でSNS、メディアで「世代間の1票の格差」が話題になっています。

書道の業界も「平均年齢75才」と言われ、高齢化が進んでいると言われます。

ただ、私は、ネガティブには捉えていません。

「年配でも初められる趣味」「手と頭が動けば続けられる趣味」なので

「引退がない趣味」と思っています。

そのため、書道業界は、若い人が圧倒的に離れているから、平均年齢が上がるだけで

逆に、年配の方がいなかったら、かなり寂しい結果になっていたということです。

(だって、日本の美術の30%は書道が支えているのですから。)




ココが役に立ったら「応援」と思って「チャンネル登録」してね


単なる出口調査だし数値もない

前述のグラフをみると、確かに、70代、50代は反対多数のように見えます。

でも、公的な統計ではなく、メディアの出口調査の結果です。

選挙の出口調査は結構当たるわけですけど、所詮「アンケート」です。

さらに、最も気になるのは、グラフに数値が一切入っていない点。

グラフで、数値を入れない、目盛幅をいじる、誤解を誘導するなどは常識です。

例 ダイソンの掃除機「吸引力が変わらない」(吸引力が強いとは言ってない)

つまり、本当は以下の様な状態だったとしても、「嘘」はないわけです。

(番組では口頭で説明したかもしれませんけどね)

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数値をあえて入れてないのですから別ソースで確認が必要です。

ということで他のソースも探してきました。

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普通ならこういう風に表現しますよね。

70代以外すべて賛成多数ということらしいです。

なのに、結果は、反対派の勝利という…。

少子化だから「若者が老人に選挙で勝てない」

こういう結果を元に「若い世代は老人には勝てない」「若い人が投票に行かないのが悪い」

「シルバーデモクラシー」などいろいろな意見がありました。

でも、いくら少子化、若者が投票に行かないといっても、70代の60%程度の賛成多数で

全体で逆転が可能でしょうか?

平均年齢75才とも言われる書道業界なので、気になったので調べてみました。

本当に若者は老人に勝てないのか調べてみた

データベースとして利用したのが「政府統計の総合窓口

ここから、データベース形式でダウンロードし、変な書式CSVデータを加工してみました。

私が自己加工したものなので、間違えていたら教えて下さい。

【世代別の”日本人”人口と比率】※「100」は100才以上

年齢 人口(千人) 比率
0-9 10702 8.48%
10-19 11875 9.41%
20-29 13172 10.44%
30-39 17442 13.82%
40-49 16992 13.47%
50-59 15794 12.52%
60-69 18389 14.57%
70-79 13271 10.52%
80-89 7097 5.62%
90-100 1443 1.14%
総計 126177 100.00%

70代 1300万人 10.52% となっています。

最も近いのは 20代 10.44% なんです。




「チャンネル登録」してくれたら動画ネタになるかもよ!


70代と20代の人口は同じ1300万人

これ、どういうことなんでしょうかね。

シルバーデモクラシーとか言ってるのって、全く統計を調べもせずに

世の中の空気を読んで記事を書いているだけってことのようです。

更にわかりやすく20年毎に集計しました。

年齢 人口(千人) 比率
0-19 22577 17.89%
20-39 30614 24.26%
40-59 32786 25.98%
60-79 31660 25.09%
80-100 8540 6.77%
総計 126177 100.00%

若い人がちゃんと投票に行けば、問題なく勝てるじゃないですか。

若い人が投票に行けば結果は違ったかも?

年代別、性別支持率のグラフより、投票率100%の場合で計算しなおしました。

年代 性別 反対 賛成
20-29 2214 4516
2815 3627
30-39 2520 6353
3830 4739
40-49 2903 5687
3688 4714
50-59 3322 4551
3992 3929
60-69 4347 4579
4561 4902
70-79 3671 2318
4406 2876
80-89 1583 999
2732 1783
90-100 194 123
681 445
合計 47461 78716
全体比率 38% 62%

賛成62%で圧勝できるじゃないですか…。

つまり、若い世代が平均値を下回らならない程度、選挙に行くなら

政治家も若者向けの政策を作るので「選挙で若者は老人に勝てない」は間違い。

でも少子化はやっぱりキツイ…

20年スパンで見ると団塊の世代、団塊ジュニア、次世代(?)の人口比率はほぼ同数です。

少子化で大騒ぎしていますが、こういう数値を見るとこの世代まではいいんですが

私達を支えてくれる20代がきついので、我々の世代がしっかりと将来の布石をしておかないと

ブーメランで私達世代に影響しそうです(笑)

さて書道業界はどうすべきか

どうしましょう…。

まずは、教室業として見ると、現在の20-40代の方が昔を思い出して書道の再開に

期待&そういう環境を作ることですね。

ただ、現在20代以下は、少子化以上に習字教室に行ってない方が多いので「またやってみよう」

というニーズが生まれない可能性があります。

今の20才以下が魅力を感じるスタイルを作る必要かもしれません(皆さん模索中?)。

いくら学校教育で無理強いしても、日本で一度も根付いた歴史がない楷書(美文字)だけでは、

長生きされる先生方の供給量に対して需要が少なすぎる気がします。

あとは、現在、唯一の拠り所の日展をトップとする賞歴システムが、選択肢の1つになるような

何かを作らないといけないんじゃないかな?と思います。

「老人が悪い」ではすまない

現在、最大の毎日書道会(全日本書道展)は、昭和23年(1948年)に発足しましたが

発起人たちはこんな年齢でした。

顧問 尾上柴舟(72)、豊道春海(70)、山口蘭渓(66)

運営委員 飯島春敬(42)、上田桑鳩(49)、金子鷗亭(42)、辻本史邑(52)、

手島右卿(47)、柳田泰雲(46)

書道業界にいる人なら、ほとんどの人の名前を今でも聞くと思います。

運営委員のみなさんは、とっても若く無いですか?

一方、今は書道業界の50代で「次世代を担う」というカテゴリーです(上が詰まってる)。

歴史から学ぶと、今回の維新ではないですが、リスクを取って何かをつくろうとしないと

先はないのかもしれません。

自分が踏み台になっちゃうこともありますが、失敗するなら若い時のほうがいいので、

みなさんどんどんチャレンジしてくださいね!


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