【国会】日展の問題再び 文化庁「問題ない」vs内閣府「再調査」

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内閣委員会で日展問題について

平成25年10月に朝日新聞が報じた公益法人 日展の不正疑惑問題(入選の事前配分、金銭の授受)について

委員会で質問が行なわれましたが、ほとんどの方が知らないのでシェアします。

開会日 2016年4月27日 (水)
会議名 内閣委員会
質問者 緒方林太郎(民進党・無所属クラブ) 15分

動画  2016年4月27日 衆議院 内閣委員会 緒方林太郎(民進党・無所属クラブ)

「お礼はダメなら別名目でOK」は問題?

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今回の質疑を通じて感じたのは、日展の所管官庁である文化庁は「改革終了」という立場で

内閣府 磐田担当室長は「同じ事が続くなら対応する」と温度差の違いが見られました。

内閣府の役人と下部掲載の文科省の役人では、内閣府のほうが表情が厳しい感じです。

※内閣府は公益法人の公益法人制度を作っている官庁だから厳しくなる理由です。

参考:公益法人制度とNPO法人制度の比較について

岩田室長が、誰かに似てると思っていたのですが思い出しました。

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お笑い芸人「かまいたち」の山内さん(左)ですね。なんかすごく似ています。

漫才めっちゃ面白いです。

書家「入選100万円、特選1000万円はきつい」

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緒方議員は「お金が飛び交う芸術界は良くないと思う」という趣旨で質問されています。

言葉に気を使った質問をされていますが、文化庁に対して厳しく批判を行っています。

当時の文部科学大臣の下村大臣は「膿を出し切る」という表現をして改革を誓われましたが

平成25年11月 当時の日展の顧問弁護士が、当時の理事長宛に出した意見書には

「(金銭の授受や不清新さは)疑われないようにすればいい。」

「文化庁は日展に好意的だが、内閣府はそうでもない。」

という表現がでてくるとのことです。

緒方議員のところにも書家の方が「入選100万円、特選1000万円のお礼はきつい。」という

相談が入っているようです。

最後に緒方議員は

「日展の問題は昭和30年から議論されている。」「再発しないように改革してほしい」

と言った言葉で質問を終了しています。




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日展に1000万円出すなら医者になる方がいい

私の意見ですが、今、日展の特選にそのような価値がない気がします。

日展の審査委員になるために日展の特選が2回必要ですから、1回目1000万円、

2回目3000万円として、日展手前までいくのに1000万円ほど必要なら合計5000万円です。

これを芸術で考えるとわかりにくいですが、医師免許に置き換えたらいいと思います。

医者は私立だと卒業までに、ちょうど6000万円程の学費が必要です。

でも、医師免許は、相当な犯罪をしないと取り消されないので投資額は余裕で回収可能です。

医道審議会医道分科会議事要旨|厚生労働省(2015年取り消し1名のみ。密売人に注射器販売)

公然わいせつで有罪判決で医業停止6カ月がいますが医者に復帰できます。びっくり。
(ご興味があれば 聖マリ資格不正取得の23人医業停止、医道分科会|医療維新

医者は20代からやれますが、日展の審査員になれても早くて60代です。

医者になるより難しい日展の審査員は、医者に比べて投資効果が圧倒的に低いです。

それでも昔はお弟子さんがたくさんいたので、それなりに回収できたのでしょうけど

タッチパネル、少子化でデフレな現在では、費用対効果は非常に悪いと思います。

日展改革は日展自体が衰退すること?

正直、改革しようとしまいと、多くの方には関係ない話です。

少なくとも美術市場では、日展作家で作品が売買される方は戦前生まれの井上有一氏くらい。

作品で食っていく人からすると、日展の評価が美術市場とかけ離れていて基準にはなりません。

職業が別にある書家は名誉として日展は憧れますが、書で生活したい書家にとっては、

現在の日展は労力やコストの割に、得られる見返りが低い賞に見えるのではないでしょうか?

今の流れで行くと、日展の賞歴で飯が食えなくなるので、徐々に日展離れが加速してくるでしょう。

その分、ライバルも減るのでお礼の額も下がるでしょう(私はお礼が全て悪いとは思いませんが)。

緒方議員も指摘していますが、日展の不正は昭和30年代、第1回目から指摘されています。
参照 旧日展は第1回目から腐敗?書家の座談会①

日展は、上記URLで私がまとめたように現在第4期と、何度も改革のチャンスはありました。
【第1期 日展】日本美術展覧会(日展):1946年(昭和21年)~1957年(昭和32年 全13回)
【第2期 日展】社団法人日展:1958年(昭和33年)~1968年(昭和43年 全11回)
【第3期 日展】改組日本美術展覧会(改組日展):1969年(昭和44年)~2013年(平成25年 全45回)
【第4期 日展】改組 新 日展:2014年(平成26年)~ ←今ここ

このシステムでやっていくのは、インターネットが普及してしまった今は、難しいと感じます。

日展改革は、新しい仕組みが生まれそうな場合に、最悪、邪魔をしないことがかもしれません。

若い人にとってはすごく大きなチャンスがめぐってきた良い時代なのかもしれません。


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